江東区が地下鉄有楽町線(東京8号線)の延伸をめぐり東京都に反発したという。東京都の対応はどんなものだったのか確認しておく。
新線はやらないっていってる東京メトロに調査させると、止めを刺すような結果にならないかね。
— どらったら! (@Chuoinfom) 2019年3月28日
地下鉄有楽町線の延伸めぐり 江東区が都に反発 | NHKニュース https://t.co/LZOlviOObe
概要
江東区議会で示された東京都の資料の内容をまとめておく。
地下鉄8号線の延伸に関する東京都の過去の発言
2018年6月 江東区議会委員会
都「地下鉄8号線の事業スキーム等の課題解決に向けて、主体的に関係者との協議、調整を進める」
都「2018年度中を目途に、地下鉄8号線延伸のための事業スキーム構築に向け取り組む」
発表された事業スキーム概要
補助制度
・地下高速鉄道整備事業費補助が有効。
(理由)都市鉄道利便増進事業費補助は、整備区間のみならず、制度上営業主体のそのほかの路線に生じさせる営業損益を含めた事業性の確保が前提。東京8号線延伸では事業性確保が困難
事業性
・国主体の検討会で一定の条件のもとで事業性は確保(三セク整備+地下高速鉄道整備事業費補助)
・建設期間10年で検討された
事業主体
(江東区)
・東京メトロによる整備、運行が合理的
・東京メトロの2路線を結ぶ計画。メトロ東陽町にも乗り入れる。
(参考)豊洲駅
事業スキームの調整事項
東京メトロの整備、運行の可能性は有価証券報告の記載事項※や費用負担を踏まえた整理が必要。引き続き関係者間で協議・調整。
(江東区)
8号線(豊洲~亀有間14.7km)については、半蔵門線(水天宮前~押上間)の開業や輸送需要予測の減少等、免許申請時とは事業環境が異なってきたことから、当社としては、整備主体となることは極めて困難と認識
・調整が整わない場合は、三セク整備の可能性について改めて協議.調整が必要
・三セク整備の場合は、株式会社としての体制整備、費用負担、東京メトロの人的・技術的協力、運営主体としての参画、線路使用料の設定などの課題
次年度以降の取り組み
・事業主体、費用負担の考え方など、関係者間でさらなる検討を進める
・来年度からは東京メトロに専門的見地から構造、設備、運行計画などの技術的検討を依頼
感想・まとめ
ほとんど唯一の明るい材料は国の検討会で「事業採算性あり」となったことぐらいか。
一番肝心な運営主体の部分で何も前に進んだ部分がなく、ダメ出しに近い。
これでは江東区が怒るのは当然。実現が遠のいた印象すらある。
結局、周りが何をしようと東京メトロ次第。三セク整備+運営主体:東京メトロで調整が整わなければ実現しそうもない。