首都圏の鉄道ネットワークに関する国交省交通政策審議会答申が出てから3年が経過するのを前に、答申に盛り込まれた「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークプロジェクト」8路線のうち2路線(東京8号線延伸/都心部・品川地下鉄構想)について、「東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する検討会」による調査結果がまとめられ、このほど公表された(2019/05/08)。
(国土交通省)
東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する検討会の概要
対象路線の収支採算性等の事業性に関する検討をより深度化。
関係者の議論に資するデータを整理する目的。
詳細な条件設定を行うための技術的な検討を行う場。
自治体・鉄道事業者等の実務者から成るWG設置(4回程度開催)
ワーキンググループメンバー
事業性検討
①東京8号線延伸
(検討会資料)
検討結果
・事業費1560億円
・1日の輸送人員 27〜31万人
・B/Cは2・6〜3、事業性あり。
ただし
・メトロの減収分を含めると収支採算性は発散
・豊洲と東陽町は現状以上に混雑する
(検討会資料)
整備のメリット
・東西線の混雑緩和
・訪日外国人の周遊に寄与
・都心〜千葉方面のリダンダンシー向上
など
②都心部・品川地下鉄構想
(国土交通省)
検討結果
・事業費800億円
・1日輸送人員 13・4〜13・3万人
・B/C 2・6〜3・1 事業性あり
・メトロの既存線区間を含めた収支採算性でも40年以内に累積資金収支黒字化。
整備のメリット
・特定区域の業務集積ポテンシャル向上
・銀座線列車内、新橋駅構内の乗り換え混雑緩和
・都心業務地区と品川駅へのリダンダンシー確保
など
(参考)都心部・臨海地域地下鉄構想について
「都心部・臨海地域地下鉄構想」ならびに「常磐新線との一体整備」は、事業性の検討対象にならなかった。直近の評価としては「具体的な検討は行われていない」ということになっている。
(国土交通省)
感想・まとめ
「メトロ減収分を含めると収支採算性は発散」・・・メトロを引っ張りこまなければならない東京8号線事業にとっては、厳しい内容という気がする。品川はよくわからない。あまり興味もない。
1番の注目はこれだった。
【東京圏鉄道ネット検討会議事概要より】
— どらったら! (@Chuoinfom) May 7, 2019
「臨海部地下鉄もある。これは築地を抱えているので東京都が進めていかなければならない。今回はこの場では議論していないが、これも検討する必要がある」
議事概要で対象2路線以外に明確に名前の出た「第3」の路線。 pic.twitter.com/qrLURwGGxB
次の検討会(があれば)、「臨海地域地下鉄構想」も入ってくるかな。
参考