JR東日本の新幹線早期地震検知システムが改良され、地震検知後の停止時間がこれまでと比べて大幅に短縮するそうだ。改良システムの導入は2024年3月の予定(2023/12/06)。
改良の概要
地震の初期微動(P波)に基づくマグニチュードの推定式算出方式を改良。具体的にはこれまでP波全体の地震動から推定していたものを、1秒単位に推定式を変更することで、より小さな振幅の段階でマグニチュードを推定可能にするもの。過去の地震によるシミュレーションでは、送電停止までの時間が平均1・3秒(従来は平均3・9秒)に短縮され、時速320キロで走行する新幹線の停止位置が230mほど短くなるそうだ。
新幹線早期地震検知システム概要
海底地震計、海岸・内陸地震計、新幹線沿線地震計(135台)、緊急地震速報(気象庁)のデータをサーバに集め、各自神経で観測された地震動に基づき、地震計から変電所へ送電を停止させる。
初期微動(P波)と主要動(S波)をそれぞれ使っている。
S波(主要動)による停止
S波の振幅から緊急停止させる仕組み
P波(初期微動)による停止
P波はS波より先に到達する。P波から震央距離、震央方位、地震規模(マグニチュード)を推定。マグニチュードに応じた緊急停止範囲の新幹線をS波到達前に緊急停止させる仕組み
P波によるマグニチュード推定方法見直し
現行のマグニチュード推定方法はP波全体の最大振幅から推定
改良した方式ではP波1秒毎にマグニチュードを推定。
これによりP波検知の1秒後から4秒後の推定精度が向上。
過去にP波で緊急停止した13地震による検証
送電停止に要した時間
現行方式 平均3・9秒→新方式 平均1・3秒
感想・まとめ
新幹線緊急停止への気合の入れ方はものすごいものがある。
地上を走行する旅客機みたいなものだからそれもわかる。
頻繁に緊急停止ということにならないといいのだけど。