2020年7月30日朝、関東甲信地方を中心に緊急地震速報が発表され、後に誤報として取り消される珍しいケースがあった。気象庁が謝罪会見まで開く事態になったので、どんな経緯か振り返っておく。
(NHK)
7月30日の地震の概要
速報値
(気象庁)
地震発生日時 9時36分
震源地 房総半島南方沖
震源の深さ 50キロ
マグニチュード 7・3
緊急地震速報
(気象庁)
36分45秒 地震波検知
①37分33秒(48秒後) 推定M3・6 最大震度2程度以上
②37分53秒(68秒後) 推定M3・9 最大震度2程度以上
③38分13秒(88秒後) 推定M3・9 最大震度2程度以上
④38分33秒(108秒後) 推定M3・9 最大震度2程度以上
⑤38分52秒(127秒後) 推定M7・3 ※1=緊急地震速報
⑥39分12秒(147秒後) 推定M7・3 ※1
⑦39分21秒(156秒後) 推定M7・3 ※1
※1
震度5強程度 三宅島
震度5弱程度 神津島、静岡県伊豆、千葉県北東部、千葉県北西部
震度4から5弱程度 ・・・東京23区・・・
実際の地震
震源の深さ 60キロ
マグニチュード 5・8
・津波心配なし
・緊急地震速報発表(強い揺れなし)
・震度を観測していない
誤報となった理由について
緊急地震速報の処理において、本来の震源と異なる千葉県南方沖に決定し、地震の規模(マグニチュード)を7・3と過大に推定したため。
詳しい原因は今後調査を進めるらしい。
追記:気象庁が緊急改善策を発表(追記は8月12日)
気象庁が緊急改善策を発表した(8月7日)。
震度を過大に予測した理由:本来の震源と異なる房総半島南方沖に震源を推定し、そこから800キロ以上離れた小笠原諸島母島観測点のデータを使ったことで地震の規模(マグニチュード)を7・3と過大に推定した
対策
マグニチュードの算出には震源からの距離が700キロ以下のものを使用する。
運用開始予定 2020年9月上旬
感想・まとめ
緊急地震速報の誤報で大江戸線が止まり、運転再開に1時間程度かかったりしている。
・9時37分 緊急地震速報により全線で緊急停止
・9時40分 緊急停止を解除できず全線運転見合わせ
・11時5分 全線運転再開
運休 30本
最大88分の遅延
影響人員 約5万人
地震の予測は大変で、失敗すると今回にように影響が大きいと思うが、精度をあげてくださいというしかない。これまでも着実に地震予測の精度、速度とも向上しているので、失敗を糧に前に進んでもらうしかない。