緊急地震速報の発表条件が2023年2月1日に変更された。これまでは震度5弱以上が予想された場合に発表されていたが、今後はそれに加えて長周期地震動階級3以上が予想される場合にも発表される。つまり震度3だろうが長周期地震動階級が3以上なら、あの嫌なチャイムが鳴ることになる(2023/02/01)。
緊急地震速報(警報)の発表条件の変更について
これまで
①震度5弱以上を予想した場合に、震度4以上を予想した地域に発表する
2月1日から
発表条件を変更する理由
・長周期地震動により人命にかかる重大な災害が起こる可能性がある
・近年の高層ビル増加により長周期地震動の影響を受ける人口が増えている
・長周期地震動を予測する技術が実用段階に入った
参考 長周期地震動の特徴
・地震の規模を示すマグニチュードが大きいほど長周期の揺れが大きくなる
・減衰しにくいため遠くまで伝わる
・堆積層により増幅される(関東平野など)
参考 長周期地震動階級
固有周期が1〜2秒から7〜8秒の揺れが生じる高層ビル内の地震時の人の行動の困難さなどから4つの段階に区分した揺れの大きさの指標。
具体的には地震計の観測データから求めた絶対応答スペクトルSva(減衰定数5%)の周期1・6秒〜7・8秒までの間の最大値の階級を長周期地震動階級としている。
参考 長周期地震動階級3以上を観測した地震例(過去5年)
2022年 3月16日 階級4 詳細
2021年 3月20日 階級3 詳細
2021年 2月13日 階級4 詳細
2019年 6月18日 階級3 詳細
2018年 9月 6日 階級4 詳細
感想・まとめ
震度3なのに緊急地震速報?ってことが今後はありうる。その場合は、長周期地震動に警戒が必要になるので覚えておこう。
ちなみに長周期地震動階級別の観測頻度は
階級1 1ヶ月に1〜2回(23年間に367回)
階級3 1年に1〜2回(23年間に33回)
階級4 1年に1回あるかどうか(23年間に17回)
※震度4以下で長周期地震動階級3以上が現れるのは数年に1回(23年間に6回)