2015年度を最後に休止となった東京湾大華火祭の2023年度の再開はなさそうだ。また、2023年度以降の開催にも大きな課題が示された。断念と言うことではなく、再開を目指す中央区の検討は続けられる。大会全体として一定程度の収容人員が見込めることで会場計画面からは再開は可能としたものの、警備費用の高騰などで開催には前回7年前の2倍の8億円が必要という試算が示された(2022/11/04)
- 計画としては再開可能
- 2023年度の再開は困難
- 最大の課題は開催費用8億円
- 前回花火大会との収容人員の比較に疑問も
- 参考 休止決定理由 2019年11月
- 参考 江東区と港区での検討状況 2016年3月
- 感想・まとめ
- 参考
計画としては再開可能
会場収容人数の試算は18会場の14・9万人
前回は16・9万人であったことも合わせて示され、
会場計画面からは再開は可能という結論が示された。
ただ、この試算にはやや疑問がある。
2023年度の再開は困難
晴海客船ターミナルの解体があり、区民の収容人数が大きく減ることから再開は困難。2024年度も暫定ターミナル仮設工事があり、開催が明言できる状態ではないが、再開を目指すという。
最大の課題は開催費用8億円
再開に向けた最大の課題は開催費用だろう。2015年度の開催費用4億2800万円に対し、再開した場合の開催費用は2倍近い7億9800万円と試算された。花火代は800万円のプラスに留まるが、自主警備費用と管理費用がそれぞれ2億2000万円、1億4200万円膨らむ。警備員の単価が上がっていることなどが理由で、削減は困難なのだという。
韓国・ソウルで発生した雑踏事故などを見ても、警備を軽視するわけにはいかないだろう。
前回花火大会との収容人員の比較に疑問も
前回は16・9万人、今回の試算は14・9万となっているが、いろいろと前提が異なるように感じる。まず、他区の分が含まれるということで、他区の協力が前提となるように思う。
中央区が示した観覧会場と試算は次の通り。
中央区 7会場、5・3万人
内訳 3・2万人
(晴海客船ターミナル跡地 1・3万人)
晴海ふ頭公園 0・7万人
埠頭エリア 0・85万人
晴海客船ターミナル脇通路0・35万人
その他 2・1万人
豊海運動公園
晴海緑道公園
緑道公園の水辺テラス
※2015年度の時には客船ターミナルエリアは使わずに晴海ふ頭公園エリアのみで10万人近くが観覧していた。
他区エリア 11会場 9・6万人
豊洲エリア 4会場、2万人
芝浦エリア 2会場、1・3万人
竹芝・日の出エリア 3会場、1・8万人
お台場エリア 2会場、4・5万人
※レインボーブリッジ越しの観覧となる
※他区エリア11会場の2015年度大会の収容人員の試算は示されていない。現段階で中央区から江東区や港区に話を持ちかけてはいないように思う。
参考 休止決定理由 2019年11月
・晴海フラッグ工事で観覧会場が中央区内に確保できない。
・中央区が主体となって華火祭を開催することは困難と判断。
※2015年8月の休止前最終回は72万人が来場
#1274 東京湾大華火祭再開の検討に向けた基礎調査着手へ! 中央区晴海地区 - どらったら!!
参考 江東区と港区での検討状況 2016年3月
・港区 再開を待ち望む区民のために中央区を積極的に支援して参りたい
#1274 東京湾大華火祭再開の検討に向けた基礎調査着手へ! 中央区晴海地区 - どらったら!!
感想・まとめ
観覧会場が確保できないため、公金支出の理由が立たないというのが休止理由だったと思うが、やはり再開は容易ではないようだ。
晴海ふ頭公園の特等席で1人1万円とったとして7000万円。開催費用の1割にも満たない。
隔年開催ならできるかな?でもそうすると、夏の風物詩とは言いがたい。
花火の破裂音で、晴海フラッグ住民からの苦情が出るかもしれないという指摘も出ているようだ。
・・・
中央区以外の会場の収容人数がが中央区民向けの2倍近いという会場計画。豊海運動公園などの2・1万人がないと、とてもじゃないけど単独開催は不可能。公金支出の理由が立たない。
また、想定収容人数14・9万人の1/3がレインボーブリッジ越しの観覧となるお台場。
2015年度との比較で中央区の観覧者は半減するのに、中央区予算から2倍の8億も出せるのかというのが最大の課題ではないか。
他区の協力は不可欠となるだろう。
検討は継続されると言うことなので、今後も注目しつつ、晴海ふ頭沖のミニ花火に注意したい。
参考