中央区築地地区のまちづくり協議会が2021年9月17日開かれ、この中で築地まちづくりの考え方案や、東京都に対する要望が公表された。本エントリは東京都に対する要望案を取り上げる(2021/09/18)。
- 築地まちづくりに関する東京都への要望案
- 築地の地域資源や立地特性を生かしたまちづくりについて
- 築地場外市場と築地市場跡地との連携について
- 「中央区築地まちづくりの考え方」に対する特段の配慮について
- 感想・まとめ
- 参考
築地まちづくりに関する東京都への要望案
大きく3つの項目から構成されている。
1 築地の地域資源や立地特性を生かしたまちづくりについて
3 「中央区築地まちづくりの考え方」に対する特段の配慮について
スケジュール
2021年10月下旬に東京都に提出される見通し。
築地の地域資源や立地特性を生かしたまちづくりについて
・地域資源との連携・調和が図られ、築地が持つポテンシャルを最大限発揮できるよう、周辺地域とのつながりに配慮したまちづくりの推進を求める
・地理的なポテンシャルを生かし、災害時には都心の防災活動拠点として機能するよう、ヘリによる救助活動、船による人員・物資の調達・輸送、特定緊急輸送道路等による支援等が行える環境の整備検討を求める
・様々な交通手段が相互のアクセスを確保し、「東京都心を支える広域的な交通結節点」としての機能を発揮できるような交通基盤等の整備を求める
築地場外市場と築地市場跡地との連携について
・場外市場に隣接する築地市場跡地のエリアは、場外市場とともににぎわいを創出する機能や、特色ある地域資源を生かす文化的な機能など、地域の活性化につながる整備推進を求める
「中央区築地まちづくりの考え方」に対する特段の配慮について
・開発に先立って行われる環境アセスメント、埋蔵文化財調査、土壌汚染調査等の手続について、スケジュールや手順等に関する総合的な調整を求める
・築地市場跡地に必要な交通基盤や場外市場における安全で快適な歩行環境及び物流動線に関する考え方を整理した「中央区築地まちづくりの考え方」として取りまとめたので、特段の配慮を求める
感想・まとめ
土壌汚染対策、埋蔵文化財調査の間に基本設計、実施設計を進めることになる。それぞれの工程で重ねて実施できるものとそうではないものがありそうだが、概成まで最低15年程度はかかるだろう。
中央区が要望している交通結節機能の実現を図るとなると、実現可能性の検討を含めて大変な作業になりそう。しばらくは注目を集め続ける超大規模プロジェクトなので、東京に欠けているピースを埋めるようなものを期待したい。
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これは過去のブログ(2016/11)に書いた内容。
東京都担当者
土壌汚染を整理しておりまして、ご案内のとおり、豊洲地区ではこの対策に五百八十六億円の費用と二十カ月の期間が必要とされております。ただ、築地地区におきましても、地歴等をいろいろ調べますと、土壌が汚染されている可能性がございます。
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築地地区につきましては、江戸時代、松平定信公の大名屋敷等がございまして、浴恩園等の跡になってございます。こうしたこと、浜離宮に近いことなども加味すると、埋蔵文化財が出土する可能性が高いと考えております。右上の方で、この築地地区と準ずる規模、おおむね十ヘクタール以上の埋蔵文化財の出土例を記載しておりますが、汐留や市谷本村町での発掘調査の場合にはおおむね十年間かかっておりますので、課題の方では、そうしたことが全体工期に影響を及ぼす可能性があるということを整理をしてございます(2010年8月都議会)
旧ブログでは、築地スタジアムがいいのではないかということを書いた。
そうすると、2020年のオリンピック終了後、築地市場跡地の売却や地元の調整がこじれなければスタジアムについては、東京都担当者の説明を踏まえて、埋蔵文化財調査に10年、土壌汚染対策に1~2年、スタジアム建設に3年として2035年前後のオープンという見通しがたてられるかもしれません(dorattara! ARCHIVE)
#563 築地市場跡地「スタジアム」をイメージする② 開業は2035年頃か、アクセスは貧弱? - dorattara! ARCHIVE