中央区晴海五丁目の晴海フラッグ全街区に対する水素供給事業が2024年3月29日にスタートすると東京ガスが発表した。水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は国内初の取り組みとのこと。ただ、直後の4月1日に水素価格33%値上げがまちかまえているというのがなんとも厳しい(2024/03/28)。
2024年春のスケジュール
3月27日 東京晴海水素ステーション開所
都営バス、東京BRTなどの大型燃料電池車料への水素供給体制が整う
3月29日 晴海フラッグ全街区への水素供給事業開始
水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は国内初
ガス事業法適用による水素供給は国内初
4月1日 エネオス水素価格改定(33%値上げ)
2200円/キロ(税込)←1650円/キロ(税込)
事業設備概要
◯敷設図
水素パイプラインの延長 約1キロ
水素パイプラインの口径 鋼管 直径約150ミリ
供給圧力 0・10MPa
水素流量 約150㎥/時
純水素燃料電池
住宅街区 5kw 24台
商用街区 100kw 1台
参考 水素価格33%値上げ、2024年4月1日から
参考 改定水素基本戦略(経済産業省、2023年6月)
国内外の情勢を踏まえ2050年のカーボンニュートラルを達成するための国家の意志を示すもの。
かつての水素基本戦略は世界に先駆けて国内水素市場を作り上げることを念頭に策定されてきたが、国内エネルギー需要を鑑みると国内水素市場の広がりには限界がある。一方で世界の水素市場は広がりを見せている。海外の動向を念頭に水素基本戦略を改定する必要がある。
感想・まとめ
水素パイプラインはそれほど長くなく、網の目のように張り巡らされているわけではないようだ。核融合ほどではないけど、もやもやした印象のある技術。水素ステーションが劇的に増えている印象はないし。4月1日の水素価格33%値上げも大変なところ。
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国内需要はそれほどないと解される水素基本戦略の改定があったようで、水素エネルギーの将来がある程度クリアになるにはもう10年ぐらいはかかるんじゃないかな。LNGの価格は24円/N㎥で水素は現在100円/N㎥。どう埋めていくかは長期的な課題。