2023年10月11日夜、将棋界で前人未到の大記録が打ち立てられた。21歳の藤井聡太7冠が8大タイトルで唯一持っていなかった王座のタイトル獲得に成功し、ついに全8冠を手中におさめた。将棋界で現状、これ以上の偉業はもうないだろう。ということで、終局の様子をメモとして残しておく(2023/10/11)。
王座戦第4局は138手で藤井7冠が勝利
藤井7冠が2勝1敗で迎えた5番勝負第4局。最後の一着は△5六歩打。
およそ1分後、永瀬王座が投了して終局した。
永瀬王座の123手目が分かれ目だったようだ
最終盤の122手目、藤井7冠が△5五銀。この時点では先手の永瀬王座が圧倒的勝勢となっていた。評価値グラフをみると次の123手目が永瀬王座の敗着となったことがわかる。
123手目に永瀬王座が▲4二金と打っていれば、評価値は永瀬99%、藤井1%だったそうだ。
以下、△同金、▲同成銀、△同玉、▲5二飛打、△同玉、▲5三銀、△4一玉、▲4二金など。
実戦で永瀬王座の123手目は▲5三馬。無念の敗着だった。
それにしても、アコムさんの将棋実況は本当にわかりやすい。おすすめ。
対局後の両者の会見の様子
(藤井8冠に対局の感想を)
早い段階からかなり激しい展開で、そこでバランスの取り方がわからなくて、少しづつ厚くされて、苦しい形勢になってしまったかな。
そのあと、少し難しくなったところもあったと思うのですが、苦しくなってしまって、最後は負け、というところもあったのかなと。
(永瀬前王座に対局の感想を)
途中までは予定どおりだったんですが、終盤勝ちになった局面はあったと思うのですが、その一つ一つの局面に対して正確な判断ができていなかったような気がするので、その点は課題なのかなと思います。
(藤井8冠から一言)
5番勝負を振り返ると、中盤で交差?をつくられてしまう将棋が多くて、自分の実力不足、永瀬王座の強さを感じるところが多かったなと感じています。
すごく勉強になったシリーズになったとおもうので、これを糧にして実力をつけていけるように今後も取り組んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。
(永瀬前王座から一言)
シリーズを通してチャンスがあって、前にタイトル戦を藤井さんと指した時よりは差が縮まってたのかなと思えるシリーズではありました。
第3局、第4局は、第3局は難解で自分の力では簡単ではないというか、チャンスではあるので逃したくはない将棋で、本局は途中まで予定の動きで全体的には押し気味で、終盤は二転三転ではっきりこちらの勝ちになった局面があったかとおもいますが、そこを逃してしまったのは残念だったかなと思う。
個人としてはもう一局指したかったのだけれど、ゼロから勉強して頑張りたいと思います。
感想・まとめ
藤井聡太7冠が勝利した第4局、最終盤、永瀬王座に絶好のチャンスがあっただけに、悔しさが際立った終局だった。何度も天を仰ぐ永瀬王座を見てて涙が出そうになったわ。大激戦の素晴らしい対局だった。永瀬前王座が会見で「藤井さんとの差が縮まったと思える」と語った通りのシリーズだったと思う。
・・・
あとはどれだけ8冠を維持できるか。そして、誰が藤井8冠からタイトルを奪うのか。
若きレジェンド誕生、おめでとうございます。