2015年の東京都の広域交通ネット計画にも翌2016年の国の交通政策審議会にも取り上げられず、2019年には東京都港湾局の事業計画図からも消滅した「ゆりかもめ延伸」の話が、たまに中央区議会で取り上げられている。dorattara.hatenablog.com
中央区は晴海地区の交通問題の短期的解決には東京BRTか都営バスで解決するしかないと説明している(2023/09/24)。
- 2021年7月14日 築地等地域活性化対策特別委員会
- 2022年9月8日 中央区まちづくり・都市基盤対策特別委員会
- 2022年10月7日 中央区決算特別委員会
- 参考 ゆりかもめ、東京都広域交通ネットワーク計画から脱落(2015年7月)
- 参考 ゆりかもめ、交通政策審議会答申の対象外に(2016年4月)
- 感想・まとめ
- 参考リンク等
2021年7月14日 築地等地域活性化対策特別委員会
吉田副区長
・ゆりかもめは大量輸送期間ではなく中量輸送機関で、路線として見て機能的に遊覧的交通手段。
・中量で遊覧的輸送機関を東京駅に繋ぎ、起点終点に大きな人口を抱えるところに繋ぐことは大変危険。これは建設当時からある話。
・中央区でも東京駅接続を検討したことがあるが、機能論から無理であろう。東京駅接続が無理なものを勝どき駅に持ってくることは非常に馬鹿げている。
→延伸させ、東京駅に繋ぐことは考えていない。
2022年9月8日 中央区まちづくり・都市基盤対策特別委員会
ゆりかもめ延伸に関するアンケートはしないのか?という質問に対して
吉田副区長
・ゆりかもめの豊洲から勝どきまでのルートを作るかどうかに関するアンケートは一切考えていない
(理由)
・ゆりかもめが有効に機能するのであれば勝どきストップではない。初期の構想の中に東京駅延伸という話があり、可能かどうか検討がなされた
・検討の結果、ゆりかもめは中量輸送機関で、主要駅に接続するとパンクするため接続はできないというのが専門家の見解、かつ東京都の見解
・終点が勝どきだと利益を享受する人が全然いないとは言わないが、多くの区民にとってよくない状況(高架建築物で道路が遮られる/晴海から勝どきまでしか移動しない)。地域として即座に反応した。
・平成の初め頃からゆりかもめに関する道路計画(朝潮運河を渡る補助314号線か)を含め地元の反対意向は強かった。この形においてありうべきものではないと判断している
→したがってアンケートはしない。
2022年10月7日 中央区決算特別委員会
吉田副区長
・豊洲のところまで引いてその先の話について地元負担だから反対したわけではない
・勝どきが終点という話があり、晴海住民も含めて全体にそれはやめてくれという話があり止まった。利用者負担という話とは別
・晴海地区の交通問題の短期的な解決は、当面の間BRT、都営バスに限られる。
参考 ゆりかもめ、東京都広域交通ネットワーク計画から脱落(2015年7月)
参考 ゆりかもめ、交通政策審議会答申の対象外に(2016年4月)
感想・まとめ
時折、議会でやりとりがあるのは、地元には一定数、ゆりかもめ延伸を望む人がいるということなんだろうね。時間の無駄だと思うけど。
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この話、建設コストに見合う利用が見込めないであろうことや、代替手段がすでに動き出していることから、ゆりかもめの勝どき駅延伸は不要という点は150%同意するんだけど、中量輸送機関を主要駅に接続するのが危険とか、中量輸送機関が環状運転をすると事業が成り立たないとか、その辺についての踏み込んだ説明がない。
色々調べたけど、結局よくわからない。個人的にはもう少し踏み込んだ説明が欲しかった。いや、終わった話なので別にいいんだけど。
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有明地区の東京駅方面行き都営バスが役に立たないぐらい混雑しているという問題は、有明地区と都心部の間の輸送力不足の問題なので、ゆりかもめの勝どき延伸では全く解決しない。勝どき駅からさらに400円近く払ってゆりかもめで新橋に行く人はいないよね。勝どき・晴海選手村住宅エリアから豊洲に行く人はいるかもしれないが、そのために莫大な事業費(いくらかしらん)をかける価値はないと思うね。
東京BRTの強化が現実的な解
東京BRTは本格運行時、片道1時間に2000人を運ぶ計画なので、1台あたりの乗車定員の多い連節車両の増車を進めつつ対応していくのが当面の目標になるのではないか。その上で東京駅の早期乗り入れや「第二幹線の新設」を目指す方がコストもかからず実現時期も早そうな気がする。