知らない人には謎の建物だった「CLT PARK HARUMI」が2020年度のGOOD DESIGN AWARDを獲得した。そのデザインは来年以降、「CLT PARK HIRUZEN」に受け継がれる(2020/10/02)。
(三菱地所)
CLT PARK HARUMIについて
(グーグルマップ)
所在地 中央区晴海三丁目
構造・規模 CLT造、鉄骨造
敷地面積 3368・88㎡
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プロジェクトについて(三菱地所)
国産CLTを国内外にアピールすることを主目的とした施設。CLTの魅力が一般の方へ伝わるよう、菱形CLTパネルが空中へ浮遊するようなパビリオン棟や、軒や階段にラミナ積層ディテールを施した展示棟をデザイン。東京都晴海で1年間使用後、岡山県真庭市に移築し恒久的に活用する。木造ならではの持続可能性を追求したプロジェクトである。
評価コメント(三菱地所)
菱形のCLT材を、短い鉄骨の束間にそれらを斜めに持ち送る様に配することで、新しい木と鉄骨のハイブリッド架構を実現したプロジェクトである。持ち送りの方向は梁行一方向ではなく、階層ごとに90度回転し桁行にもつながっていく。その揃って方向を変えていく様は、なにか最近のチームダンスを見る様でもある。この持ち送りの架構形式は伝統的な「枓栱(ときょう)」にもつながりながら、全く新しく現代的な印象だ。そのような空間・構造的価値に加えて、このパビリオンは解体・再建が可能な「仮設システム」として実現されているのも興味深い。一度作ってしまったら固まってしまい動くことができなくなる湿式のコンクリート造とは異なった、木造という乾式の構法が、この仮設性を可能にしている。空間、構造、仮設工法など、木の特質を生かした新しい木造形式として高く評価した。
参考 建設から解体まで
施設竣工 2019年11月29日
施設開業 2019年12月14日
年末年始休業 2019年12月31日〜2020年1月3日
一時閉鎖 2020年 3月28日(新型コロナ感染拡大のため)
施設再開 2020年 6月 2日
施設閉館 2020年9月30日
解体開始 2020年10月1日
(中の人撮影)
解体終了 2021年 1月15日
真庭市での運営開始 2021年7月(当初予定)
参考:移設先での名称は「CLT PARK HIRUZEN」に
晴海から移設される建物は岡山県真庭(まにわ)市の蒜山(ひるぜん)高原で「蒜山CLTサイクリングセンター」の一施設となるようだ。
観光客の減少に悩む蒜山地域の振興を進める中心施設となるらしい。2025年の大阪・関西万博での活用も考えているようだ。
名称は「CLT PARK HIRUZEN」で年間の来館者は8万人を想定。
晴海にあったパビリオン棟、屋内展示棟に加え、CLTを使ったサイクリングセンターを新規に設けるという。
(真庭市)
屋内展示棟にはビジターセンター、ミュージアムのほか小規模なカフェ、ショップを設ける。パビリオンは有料施設に。入場料300円で試算されていた。
感想・まとめ
2020年9月30日をもって閉館した「CLT PARK HARUMI」の最後の置き土産だな。此処に建つオフィスビルもトリトンスクエアのように晴海のランドマークとなるようなデザインになって欲しいと思う。
参考
2020年度グッドデザイン賞 三菱地所グループ全体で10件受賞(三菱地所)