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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#15 東京都区部の医師の偏在について

全国の医師の配置の偏りに関するレポートが、日本医師会系のシンクタンクから公表された。1996年→2016年と2016年→2036年の2つの期間の変化についてまとめられた医師偏在問題の基礎資料(2019年1月6日)。

 

 

 (参考)

 東京都の2036年の病院、診療所の年齢別医師数(推定)

病院 診療所

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日本医師会総合総合政策研究機構)

 

 

背景

 厚生労働省の検討会で、医師の地域偏在や診療科偏在を解決するため、2019年度に向けて医師偏在指標が公表される予定。現時点での医師の配置状況を把握する必要がある。20年分のデータから地域の医師の現状と過去のトレンドを分析。将来推計は過去のトレンドが続くと仮定したもので参考値。

 

 

 ・・・

 ここでは東京都と区中央部医療圏(千代田区中央区、港区、文京区、台東区)、区東部医療圏(江東区墨田区江戸川区)についてピックアップして簡単にまとめておく。

 

 

  

医師数の推移(区中央部医療圏)=千代田区中央区、港区、文京区、台東区

1996年→2016年

総人口 51%増加

医療施設勤務医 41%増加

人口10万人あたり医師数 6%減少

人口10万人あたり医師数 1174人(2016年)

 

男性医師 19%増加

女性医師 150%増加

女性医師割合 31%(全国平均21%)

 

病院医師 36%増加

診療所医師 61%増加

診療所医師割合 26%(全国平均34%)

 

65歳以上の医師 10%減少(全国平均20%増加)

65歳以上の医師比率 8%(1996年12%)

 

 

 都区中央部医療圏の2036年の病院、診療所の年齢別医師数(推定)

病院 診療所

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日本医師会総合総合政策研究機構)

 

 

 

人口あたりの医師が多い診療科(2016年)

 内科、小児科、精神科、外科、小児外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科泌尿器科産婦人科リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、救急科、臨床研修

人口あたりの医師が少ない診療科・・・なし

 

期間内(1996年→2016年)に

医師が減少した診療科・・・外科

医師が50%以上増加した診療科

 精神科、形成外科、リバビリテーション科、放射線科、麻酔科

 

※総人口が51%も増えていて、外科医が減っているというのには驚き。

 

2016年→2036年(将来医師推計)

総人口 10%減少

医療施設勤務医 41%増加

人口10万人あたり医師数 54%増加

人口10万人あたり医師数 1806人(2036年)

 

男性医師 17%増加

女性医師 106%増加

女性医師割合 46%(全国平均31%)

 

病院医師 28%増加

診療所医師 58%増加

診療所医師割合 30%(全国平均34%)

 

65歳以上の医師 131%増加(全国平均93%増加)

65歳以上の医師比率 13%(2016年8%)

 

 

 

医師数の推移(区東部医療圏)=江東区墨田区江戸川区

1996年→2016年

総人口 23%増加

医療施設勤務医 97%増加

人口10万人あたり医師数 61%増加

人口10万人あたり医師数 191人(2016年)

 

男性医師 75%増加

女性医師 221%増加

女性医師割合 25%(全国平均21%)

 

病院医師 151%増加

診療所医師 52%増加

診療所医師割合 42%(全国平均34%)

 

65歳以上の医師 6%増加(全国平均20%増加)

65歳以上の医師比率 14%(1996年27%)

 

 

都区東部医療圏のの2036年の病院、診療所の年齢別医師数(推定)

病院 診療所

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日本医師会総合総合政策研究機構)

 

 

人口あたりの医師が多い診療科(2016年)・・・なし

人口あたりの医師が少ない診療科(2016年)

 内科、精神科、小児外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科臨床研修

 

期間内(1996年→2016年)に

医師が減少した診療科・・・なし

医師が50%以上増加した診療科は

 内科、小児科、精神科、外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科泌尿器科リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、救急科

 

江東区で人口あたりの内科医や整形外科医の数が少ないとの指摘。

 

 

2016年→2036年(将来医師推計)

 

総人口 1%減少

医療施設勤務医 57%増加

人口10万人あたり医師数 59%増加

人口10万人あたり医師数 303人(2036年)

 

男性医師 42%増加

女性医師 105%増加

女性医師割合 33%(全国平均31%)

 

病院医師 59%増加

診療所医師 27%増加

診療所医師割合 33%(全国平均34%)

 

65歳以上の医師 158%増加(全国平均93%増加)

65歳以上の医師比率 24%(2016年14%)

  

 

 

当たり前だけど、医師も高齢化が急速に進むという興味深いデータ。

それも、全国平均よりはるかに速い速度で。

将来推計はかなり大雑把な印象。17年後の話だ。

 

参考

 医師の地域別・診療科別偏在と将来推計に関する地域別報告日本医師会総合政策研究機構)