読者の方から「中央区晴海4丁目の私立学校誘致」の問い合わせがあったので、ちょっと考えてみた。中央区の高橋議員や青木議員がツイートしていた(2020/06/23)。
本日の答弁の中で晴海四丁目に私立学校誘致を現在でも検討している旨の答弁がありました。商業施設と共に学校施設の誘致が実現すれば、晴海地区振興の相乗効果が期待されます。#晴海 #中央区 #勝どき
— 高橋元気(東京都中央区) (@genki_takahashi) 2020年6月22日
概要
中央区長が「晴海4丁目に私立学校の誘致を現在でも検討している」と答弁した、という話。どういうことなのか考えてみた。
現在「晴海地区」の開発は概ね「晴海 まちづくりの考え方」に沿って進められていて、これから離れたことは簡単にはできない。
晴海四丁目の場所
(ヤフー地図)
この話のポイントは「現在でも誘致を検討している」ということ。
最近出た話ではないことがわかる。
晴海4丁目 まちづくりの考え方
最新のものは2019年版。
(中央区)
晴海4丁目の特徴は「業務・商業地」がないこと。桃色の部分は「複合地」となっている。黄色の部分は「新設の教育施設/公園用地/住宅地」。
学校誘致が可能な場所は限られる
検討が継続されていたのであれば、「晴海まちづくりの考え方」が当てはまることになる。すると、学校施設の誘致が可能な場所は赤枠で囲んだ3箇所に限られる。
右側(晴海大橋に隣接する場所)
公園誘致方針が明記されている
中央 特に何も書いていない(用途不明)
左側(豊洲大橋に隣接する場所)
学校用地として確保した敷地1ヘクタールの半分以上(橙色の部分)を使って認定こども園や特別出張所などの複合施設(晴海四丁目施設)の整備が進められている。
(中央区)
※2019年秋の時点ではこの用地は東京都所有。中央区が取得した上で晴海四丁目施設整備という流れ。
参考:晴海二丁目の空き地(都有地)について
(中の人作成)
晴海二丁目の「空き地」(上図)の東京2020大会後の用途は2020年6月現在固まっていないようだ。方向性はしばらく変わっていない。
晴海二丁目の「空き地」に関して
・晴海を住宅だけにするのは避けたい
・文化教育的要素を含めたまちづくりを進めたい
・教育施設、文化施設を導入できる可能性がある都市計画に向けて東京都と折衝継続
(中央区答弁)=2021年3月
感想・まとめ
晴海4丁目への私立学校誘致は具体的な話を聞いていないので、推測になる。
晴海4丁目で教育施設が可能な場所3箇所の用途は前述のとおり「新設の教育施設」「公園用地」「住宅地」のいずれか。
このうち新設の教育施設(晴海四丁目施設)、公園用地はすでに該当する場所がある。
残るのは住宅地で、おそらく中央の用途「不明」部分がこれに当たるのだろう。
学校用地はどうなるか
晴海4丁目の学校用地(新設の教育施設)は全体で約10000㎡で、晴海四丁目施設の敷地は6700㎡。2/3ほどを占める。
現在、私立学校を「誘致可能」な状態にあるのは左側の晴海四丁目施設の敷地の残りの部分に限られるが、3000〜4000平方メートル程度か?
すると
①晴海四丁目施設を流用した誘致
②晴海4丁目中央の「用途不明」敷地の一部(全部)を学校用地とする変更を行う
③四丁目施設の空き地に私立学校の一部機能を持ってくる(高校/大学の一部など。大学は都内の定員を増やせない縛りがあるので都内施設の移転にななる)
ぐらいか。
どれも、現実的ではない気がする。晴海2丁目の空き地にまるごと誘致というのならまだわかるのだけれどね。「誘致」するかどうかの検討段階なので、掘れるのはこの程度だろうか。
・・・
追記 想定に変化あり(2021/10/06)
※中央区は晴海四丁目の学校用地について、以前1ヘクタールと説明していた(アーカイブ#645)ことから、本エントリ執筆時には「学校用地+晴海四丁目施設を合わせた敷地面積」は1へクタールを想定していたが、#980で示したように実際には試算結果は14600㎡となっている(2021/10/06)。
※敷地面積 14600㎡のうち、複合施設の敷地面積は約6700㎡で残った部分の約8000㎡が小学校用地とすると中央区では広い部類に入る。
#980 晴海東小学校開校は最速2026年春か? - dorattara! Season4
参考