晴海選手村跡地再開発の中で重要な位置を占める中央区のコミュニティバス「江戸バス」のルート見直し作業が2022年度から本格化する。順調に進めば運行ルートの案は秋までには出てくるだろう。運行開始は2024年春以降の見通し。中央区の資料は新型コロナ流行による深刻な影響が示されたものとなった。ルートの議論に与える影響が注目されそう(2022/02/25)。
- 江戸バスのルート見直しについて
- 現状:利用客は2020年度は19年度の7割未満に減少
- 現状:運行事業補助金、1億円超/年、支出は収入の3倍超
- 現状:利用客の多いバス停、少ないバス停
- そのほか
- 感想・まとめ
- 参考
江戸バスのルート見直しについて
中央区の公共交通不便地域について
・駅から300m、都営バス停から200mの外側を公共交通不便地いいとした場合のマップ。晴海、湊、明石町、日本橋の一部が不便地域となっている。
・湊、明石町、日本橋は江戸バスがカバー。晴海は選手村跡地エリアでは運行がない
スケジュール(予定)
2022年度 ルート案審議
2023年度 ルート案確定、新ルートの認可申請ほか
2023年度末〜 運行開始
現状:利用客は2020年度は19年度の7割未満に減少
・2010年度 1170人/日→2018年度 1535人/日まで増加
・2019年度 1478人/日
・2020年度 998人/日(19年度比68%)
・北循環よりも南循環の利用客が常に多い
現状:運行事業補助金、1億円超/年、支出は収入の3倍超
・収入は利用客数の減少に伴い急減。支出は1億5000万円前後で推移。補助金額は20109年度から1億円を超えた。
・支出に対する収入の割合は2016年度に47%とピークを迎え、2020年度には30%にまで落ち込んでしまった。
現状:利用客の多いバス停、少ないバス停
北循環
南循環
※乗降下位のバス停は見直しの対象になるかもしれない。
・豊海運動公園入口、勝どき橋西、勝どき三丁目、新島橋南など
そのほか
・江戸バスを知っているが利用頻度が少ない人の3割が逆方向便、2割が増便を要望
・江戸バス運行の最優先事項として「ルート変更」は前回調査(2013年)から減少。「逆方向便」は増加
参考:中央区の見解 逆ルートは困難(2022年1月)
感想・まとめ
中央区は年間1億円の補助を出せるから運行を継続できている。荒川区は補助金を出しておらず、運行主体の京成バスの判断で「町屋さくら」の運行終了が決まった。
晴海フラッグの生命線の一部なので、運行継続という点では当面心配しないでいいと思うが、支出に対する収入の割合が30%という状態がいつまで続けられるかはわからない。運賃の見直しなども俎上に登ってくる可能性があると思う。荒川区の「町屋さくら」も支出が収入の3倍という状況だったそうなので、似たような状況だった。
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中央区の人口推計もこの5年ぐらいでピークが見えてくるような状況なので、今回、どんなルートを引くか、というのは沿線地域にとってかなり重要になりそうな気がする。