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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。

#1170 2040年代の東京港を描く長期構想をみる じわじわとした変化になりそう

東京都が2040年代を見据えた「東京港第9時改定港湾計画に向けた長期構想」を公表した。印象が薄い内容で、今後20年はじわじわとした変化になりそう(2022/02/03)

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水辺の賑わい将来イメージ=”長期構想”

長期構想の位置付け

・長期構想はおおむね20年後(2040年代)を目標年次とする

・改定港湾計画はおおむね10年後(2030年代)目標年次とする

長期構想における基本理念と東京港の目指すべき将来像

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長期構想における将来像と東京港のめざすべき将来像

東京都の主な施策の方向性

コンテナターミナルの機能強化

・2040年代に600−700万TEUの施設能力が必要

コンテナターミナルの強化 中央防波堤外型/新海綿処分場

・将来の物流動向を見据えた東京港全体の機能配置、施設規模を検討すべき

最先端技術を活用した効率的なコンテナターミナルの実現

・サイバーポート導入による手続きの電子化

・搬出搬入事前予約制導入によるトラック来場時間の平準化

・貨物情報の見える化など

道路ネットワークの拡充

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道路ネットワークの拡充=”長期構想”

・国際海上コンテナ車両が特別な許可手続きなく通過できる環境を整備すべき

※環状3号線が図に示されていた

ユニットロードターミナル、フェリーターミナルの機能強化

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ユニットロード、フェリーターミナルの機能強化イメージ=”長期構想”

・2040年代に以下の施設能力を確保する必要

 ユニットロードターミナル 1350万〜1500万トン

 フェリーターミナル 1200万〜1400万トン

・新規埠頭整備、既存埠頭のヤード拡張、岸壁増深などを推進すべき

・増加傾向にあるフェリーの旅客需要に引き続き対応すべき

最先端技術を活用した効率的なユニットロードターミナル実現

省略

内港航路ネットワークを活用した農林水産品等の取り込み/東京港におけるトランシップ貨物の取り込み

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外貿埠頭と内貿易埠頭の接続強化イメージ=”長期構想”

・内港航路ネットワークを活用した国内貨物の取り込み

 フィーダー船が優先利用できる埠頭の整備検討などが必要

 港湾貨物倉庫、高機能倉庫の誘致、倉庫の建て替えが必要

・東南アジアと北米間の貨物の取り込み

災害時にも物流活動を維持できる強靭な港の構築

省略

クルーズ客船の寄港ニーズへの対応

・新型コロナによる状況変化を踏まえ、新たな客船誘致戦略を検討すべき

・クルーズ客船誘致では他港との連携を検討

大型クルーズ客船受け入れを含めた2バース体制確保

大型クルーザー、プレジャーボートへ需要への対応

大型クルーザーの受け入れは当面東京国際クルーズターミナル埠頭、晴海埠頭、物資補給岸壁のスポット利用を想定。必要な受け入れ施設、出入国手続き等の受け入れ体制を検討

プレジャーボートについては低未利用水域を活用

※「当面」がついているので、2040年代も晴海埠頭の利用が続くってことはないだろう。

多様な地域資源を生かした水辺のさらなる魅力向上

海上公園

・隣接する民間開発と連携、緑やオープンスペースなどの連続性を確保した整備に取り組むべき。海に面した園路、海浜等を整備すべき

東京2020大会レガシーを都市レガシーとして発展させるためスポーツを核とした新たな価値や魅力を想像する持続可能なまちづくりを進める

・海に面したオープンスペースを開放し集客力あるイベント誘致

運河部

・水辺に顔を向けたまちづくり推進

・水辺空間をたのしめるまちづくりとしてライトアップ等を進める

旧晴海鉄道橋の遊歩道への利用転換など、土木遺構の保全活用により、街と歴史が調和した良好な景観の創出を進める

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土木遺構の維持保全=”長期構想”

舟運や自動運転モビリティによる回遊性向上

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舟運の現状=”長期構想”

・BRT、舟運、シェアサイクル、小型モビリティなど交通手段充実による回遊性向上を図るべき

・地下鉄8号線、羽田空港アクセス線、臨海地下鉄等の事業化の動向を踏まえるべき

・官民が連携して船着場の整備を推進、航路の充実にむけた環境整備、賑わい創出をはかるべき

・東京国際クルーズターミナルに隣接した新たな船着場を整備し、クルーズ客が都内各地にアクセスする際の発着地として機能させるなど移動手段充実を図るべき

・新たな観光資源となりうる自動運転モビリティや舟運への自動運航船の導入推進

そのほかの項目

・気候変動に適応し、都民の生命と財産を確実に守る

 気候変動による平均海面推移の上昇の影響を踏まえた計画的施設整備をすべき

・将来にわたる港湾機能の適切な維持

カーボンニュートラルの実現

・豊かな海域環境の創出

・持続可能な循環型社会への貢献

 ごみの減量化推進等

東京港ゾーニング

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東京港ゾーニング=”長期構想”

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月島地区、豊洲有明地区の拡大図=”長期構想”

※晴海埠頭、月島埠頭、豊洲埠頭に大きな変化はない。2040年代も機能は維持される

埠頭利用のエリア区分

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埠頭利用のエリア区分=”長期構想”

旅客船は東京国際クルーズターミナル、晴海埠頭、芝浦・日の出埠頭へ

港湾計画における主な情勢変化

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港湾計画における主な情勢変化=”長期構想”

※ダイナミックな変化は第8次までで終了した感じ。機能新設というより、増強が目立つ。もう目を引くような変化はないのかな。

感想・まとめ

本長期構想は2030年代を目途とした次期改定港湾計画を策定するガイドラインとなるそうだ。印象としては今後20年は大きくは変わらず、じわじわ変化していく感じだろうか。突拍子もないものはなかったように思う。

目立ったポイントはいくつか。

・2040年代の環状3号線開通の可能性

・晴海「暫定」客船ターミナルの行方

・東京国際クルーズターミナル近辺への船着場新設

海上公園エリア(有明/台場地区を示唆)を「スポーツを核にしたまちづくり」のエリアとすること

 あと、個人的に注目していた月島埠頭だが、2040年代の物流機能維持が示されたので、豊海町エリアの変化は既存の住宅エリアの建て替えに止まるだろう。

 東京都心に最も近いドローン配送、ロボット配送の基地になっていくと面白いと思うけどね。

www.tepcoventures.co.jp

参考

www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp