首都圏新都市鉄道が申請したつくばエクスプレスの運賃改定について、国土交通省は2025年6月26日、申請通り認可することが適当とする答申を発表した。申請によると、改定の時期は2026年3月で、普通運賃を初乗りで10円ほど値上げする一方、小児運賃は14キロ以降200円均一にする。また、通学定期券の割引率を10%ほど引き上げる内容で、予定通りの引き上げとなりそう(2025/06/27)。
答申の内容
諮問日 2025年4月23日
答申日 2025年6月26日
主文概要 申請通りの認可が適当
申請理由と判断
申請者は
・開業から20年を迎え、最高時速130キロ運転を支えてきた車両、架線、軌道等について、更新時期が順次到来するため、計画的に更新する必要
・混雑対策のための長編成化とそれに伴う総合車両基地の増強などが急務。
・つくばエクスプレス線の建設主体の独法「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に20年間、毎年200億円の債務償還が必要
との理由などから上限変更認可を申請した
審議会は
・申請にかかる旅客運賃の上限による総収入が総括原価を超えないことを確認。認可基準に適合するものとして、国土交通大臣が認可することが適当と認める
要望事項
1.首都圏新都市鉄道株式会社の鉄道事業における需要見通しは、コロナ禍による行動変容の影響を考慮したものだが、想定された需要と実績が乖離する可能性があることから、法第54条各項の趣旨に基づき、期限に係る条件を付すことを検討され
たい。
2.首都圏新都市鉄道株式会社の業績が黒字であること等を踏まえ、同社において、今般の運賃改定が、同社の鉄道事業を持続的に運営していくために必要であることや、サービス向上等にも資することについて、利用者に対し丁寧に説明するよう、必
要な指導、助言を行っていただきたい。
3.中小民鉄事業者においては、その事業規模や経営形態等が多様であることや、大手民鉄等事業者におけるヤードスティック方式のような事業者の効率化努力を促すための仕組みもないことを踏まえ、その運賃改定申請の審査に当たっては、当該事業
者の経営状況等の実態に即した審査が行われるべきものと考えるので、そのための方策について検討されたい。
参考 運賃改定の申請について
実施日 2026年3月予定
大人 IC 初乗り168円→180円/きっぷ 初乗り170円→180円
小児 IC 大人の半額→IC 13キロまで据え置き、14キロ以降200円均一/きっぷ 大人の半額→そのまま
感想・まとめ
需要見通しが新型コロナによる行動変容を踏まえたものになっていて、実績と乖離する可能性が指摘されている。これはいいことなのかな?黒字下での運賃値上げについても利用者に丁寧な説明を求めた。
認められたということで、サプライズはなかった。
予定通りの値上げとなりそうだ。
参考リンク等
報道発表資料:「首都圏新都市鉄道株式会社からの鉄道の旅客運賃の上限変更認可申請事案」に関する答申について - 国土交通省