東京都の新たな舟運補助事業が2026年4月8日に発表された。ベイエリアをループ状に運航し、年間300日、1日8時間以上の運航を行う場合に、運航事業費の1/2補助を行う内容。補助期間は2026年度と2027年度だが、補助金交付要綱を見ると2028年度以降の継続運航が可能であることが求められている。築地再開発「基本計画」で示されていた2029年度開業の「舟運・シアターホール複合棟」の利用を想定したものと考えられそうだ(2026/04/12)。

補助の概要
補助対象事業
舟運事業者(海上運送法に定められた一般旅客定期航路事業の許可事業者)

対象事業の条件
・年間300日間以上、始発便の出港時刻から最終便の運航終了時刻までが8時間以上(船員の休憩時間とEV船舶等の充電時間は含まない)
・回数券、定期券を設定し、1回あたりの利用者負担上限は500円が上限
・通常の乗船(都度利用)は事業者が任意に設定可能
・旅客船の旅客定員は13人以上
・補助期間は2026年度から2027年度まで
・補助期間終了後も継続運航が可能な事業(2028年度以降の運航計画と収支計画が必要)
補助内容(交付額等)
・補助対象経費の1/2以内
・運航日の船舶の実運航時間の合計に応じて補助(4段階)
最小は8時間以上〜16時間未満 1日あたり10万円
最大は32時間以上 1日あたり40万円
スケジュール
2026年
5月8日 事業計画書提出期限(2026年度と2027年度の運航計画)
6月 選定結果通知
参考:東京舟運
東京舟旅のホームページが残念な状況になっていた。
実質的に予約が可能なのは晴海五丁目から日の出までの「舟旅通勤」のみで、豊洲と日本橋を結ぶフル電動旅客船(Nihonbashi e-LINER)については掲載がなかった。
#2515 ★速報★豊洲〜日本橋間でフル電動旅客船が定期航路開設 将来は築地市場にも拡張へ 2026年4月運行開始- どらったら!!
・・・
2026年4月12日現在、東京舟旅に紹介されているルートは1つのみ。
・舟旅通勤 BLUEFERRY(晴海五丁目〜日の出)
火曜日から木曜日の平日 1日4往復(継続中)
※TRY舟旅通勤(五反田〜天王洲アイル)は、2026年3月19日に「今季の運航を終了」と表記されていた。
#2258 舟運通勤、天王洲〜五反田が運航開始 2025年5月14日から - どらったら!!
感想・まとめ
具体的なループ航路は今後、応募事業者が提案することになるので、現時点では何もわからない。2029年度以降のNihonbashi e-LINERのルート拡張で築地を経由させる可能性はあるのではないかな。
・・・
舟運活性化がいかに難しいかということは弊ブログでもたびたび取り上げてきた。東京都による「7年間の舟運活性化の総括」の中で、主な課題として以下のような指摘をしていた。
→定期航路とする際に求められる船の設備、船着場の施設整備が必要
→乗船自体に付加価値をつける必要がある
→航路開設初期段階では行政、まちづくり主体、接続する交通事業者、船着場周辺企業、利用者などの関与により運航を支える仕組みを考える必要がある
→舟運活性化事業終了後も活動を続けることが可能になる活動費の捻出方法、体制づくりの検討が必要
#1723 定期航路化には船・船着場の整備必要 東京都、7年間の舟運活性化を総括 終了宣言か? - どらったら!!
今回の補助事業は、これらの指摘を踏まえたものだと感じた。
築地再開発の船着場ルート新設が狙いか
補助期間終了後も継続運航が可能な事業(2028年度以降の運航計画と収支計画が必要)という条件と、築地再開発「基本計画」では2029年度に「舟運・シアターホール複合棟」が先行開業することになっていることを合わせると、今回の補助事業は築地市場跡地の船着場を経由する舟運ルートの新設が狙いと考えられる。
日本橋エリアなどでも川面に顔を向けたまちづくりが進んでいるし、将来的にはこの辺りも絡めそう。まだまだ弱いけど、少しずつ進めるしかないのだろうね。