香川県の小豆島と高松港、新岡山港の瀬戸内海に航路を持つ国際両備フェリーの旅客船に、自動車でいう自動運転レベル4相当の操船システムが搭載され、商用運航を開始すると三菱造船が2026年1月16日に発表した。運航の時期は示されていない。完全自動運航が一部可能な技術段階で、離島航路を持つ各地への拡大も期待できそう。東京も伊豆諸島、小笠原諸島の離島航路を持つということで少し調べてみた(2026/01/19)。
定期船のレベル4相当は世界初
日本財団と三菱造船が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」で、実証に使われる離島航路旅客船「おりんぴあどりーむせと」が、一般旅客が乗る定期船として自動運航機能(自動運転レベル4相当)を活用した商用運航を開始する。三菱造船によると、一般旅客が乗る定期船では世界で初めてとなる。
※運航時期の明示はされていない。
船舶の自動運転レベルは未定義
船舶の自動運航レベルは2026年1月現在、IMO(国際海事機関)などで議論が進められている。「自動運転レベル4」は自動車の定義を便宜的に使用。完全自動運航が一部可能な技術段階としている(三菱造船)
搭載される航海支援システムについて
・三菱造船が航海支援システム「SUPER BRIDGE X」を旅客船「おりんぴあどりーむせと」に搭載するための技術認証を取得した。このシステムは衝突・座礁回避と警報管理機能を備えた自動操船システム。新技術の安全性が既存のルールに基づく安全性と同等だと評価されたとのこと。
SUPER BRIDGE-X | MHIマリンエンジニアリング株式会社
使用船舶:おりんぴあどりーむせと(国際両備フェリーHPより)

全長 65・56m
総トン数 942トン
速力 13ノット
旅客定員数 500人
積載台数 普通乗用車60台、観光バス10台
就航 2019年5月1日
おりんぴあどりーむせと(離島航路ワーキンググループ) | 日本財団
MEGURI2040について(日本財団資料より)
・無人運航船プロジェクト。有人離島の多い日本では、人口減少下の国内海上輸送や航路の持続可能性に課題。離島航路の維持が喫緊の課題となっている。こうした課題の解決を目指す取り組み
・自動車の自動運転と異なるのは、障害物を瞬時に避けることが難しいことや、莫大な開発費用が必要なこと。
・2025年までの無人運航船実用化を目指す
・2つのフェーズがあり、現在は第2フェーズ。
2020〜2022年(第1フェーズ)

・5つのコンソーシアムが実証実験し「成功」
・東京港でも2022年2月26日〜3月1日にコンテナ船「すざく」とすざくの無人運航監視、遠隔操船可能な支援センターによる実証実験を実施し成功(世界初)。東京港〜伊勢湾の790キロの往路で97・4%、復路は99・7%の無人運航率を達成したとしている。
2023〜2026年(第2フェーズ)

・技術、規制、社会的理解の3分野に取り組む
・今回のものは上図①にあたる。
無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」 | 日本財団
感想・まとめ
離島航路といっても瀬戸内海のようなものもあれば、小笠原のような外洋の航路もある。導入システムは内航船舶向けということで、伊豆諸島航路だったら実現の可能性はあるかもしれない。
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自動車の自動運転技術を見ていると、なかなか進まない(広がらない)なあというのが実感。事故が即人命に直結するのが海上交通。急ブレーキや急激な方向転換ができない船舶では実現はより難しい気がするが、広がってほしい技術。
参考リンク等
三菱造船が開発した自動操船システム“SUPER BRIDGE-X”を搭載世界初 旅客船における自動運転レベル4相当での商用運航開始 | 三菱重工