2025年11月5日、東京都中央区晴海の第一生命ホールで8回目となる「都心・臨海地下鉄新線推進大会」が開催された。ざっと見て約600人を集めたが、あまり中身のある内容はなく、目立った進捗を見つけるのは難しい内容だった。つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道による東京駅延伸の調査実施が株主連合でもある期成同盟の力技だったことなどが語られた(2025/11/05)。

臨海地下鉄推進大会概要

開会挨拶 鈴木久雄氏(臨海地下鉄新線推進協議会会長)
10月にパネル展を開いた。沿線小学生に協力をしてもらっている。
江東区副区長も参加。2040年に開業予定とすると99歳。前乗りしたい。
進捗 「TXが東京延伸について調査」「羽田空港アクセスは可能」吉田不曇副区長
去年から今年の進捗について説明する。
はっきり進んだ部分は、つくばエクスプレス沿線で強力し期成同盟を作ろうと、7都市と中央区ほか関係区も一緒になって。
一つは、つくばエクスプレスを運行している首都圏新都市鉄道というのがある。これまで東京駅延伸にこれまでいい顔をしていなかったのだが、今年は東京駅延伸を具体的に検討する、ということになった。
もう一つは羽田空港へのアクセス。都心・臨海地下鉄新線については、りんかい線を運行している会社と東京都が具体的にことし、臨海地下鉄新線のありようを具体的に検討しているが、その会社が臨海地下鉄新線は羽田空港にきちんとアクセスできるとしたということが出てきた。
それが今年の進捗。早く地下鉄やればいいのにと思う方もいると思うが、鉄道事業はそうはいかない。東京は鉄道を作りすぎていると国は思っている。つくばエクスプレス沿線の都市との連携、この線が総合的に日本の将来にとって有効な線だと、国に働きかけたい。
来賓について
葉梨衆議院議員
朝日健太郎参議院議員
鈴木大地参議院議員=初参加
期成同盟会長の松丸修久守谷市長
都議二人
江東区 綾部副区長
各地区代表ほか
葉梨衆議院議員の話
2016年交通政策審議会でB/C費用便益費を高めるため、つくばエクスプレスと臨海地下鉄新線の接続が望まれた。
つくばエクスプレスと、結ぶとB(利益)が増加。
守谷に車両基地、これを臨海地下鉄新線で活用できれば費用Cが減少。
問題はどうやってお金を出すのか。これが最大の問題。
どういうスキームを作るのか。国にはある程度動いてもらわないといけない。
沿線にはつくば、柏の葉という大きな研究開発拠点。早く作って結びつけることで国とウインウインの関係となる。これだけ筋のいいプロジェクトは日本にはない。
そのほかの談話
朝日健太郎参議院議員の話
高市政権は東京一極集中是正の方針。
そうは言っても、東京が発展して地方を牽引すべき。
鈴木大地参議院議員(初参加)
未来を明るくするプロジェクト。
加藤雅之都議会議員
2024年度は想定される駅位置での地質調査
2025年度はと駅、基盤整備を検討してきた
11月5日東京都の予算発表(後述)
計画の深度化に3億4000万円を計上。
項目は単独項目に(特出し)となった。
臨海地下鉄新線は発展に不可欠。事業認可に取り組みたい。
松丸守谷市長(期成同盟会会長)

TXの東京駅延伸はTX側も当初は疑心暗鬼だった。株主を過半数集めないと会社を動かせないということで、千葉にも参加してもらった。過半数が望むならTXでも調査しないととなった
綾部江東区副区長
2021年の答申で「深度化」を求められている。
2023年5月、海の森ルートを東京都に求めている。
講演 市川明治大学名誉教授
東京臨海部には背骨がない。
臨海地下鉄新線ができると都市構造が変わる。羽田空港へのバイパス線となる。
有楽町線や南北線の延伸は末端部の延伸だが、臨海地下鉄新線はそうではない。
事業費は上がるだろうが、少なくとも作らなければならない鉄道。
東京の人口はまだまだ増える。
2040年代ではなく2030年代に実現を!
参考 2026年度の東京都予算要求

・都心部・臨海地下鉄新線関連の予算要求は計3億8900万円となった。
前年度は計4億9900万円だったので要求ベースでは1億円余り減少した形。
感想・まとめ

今回はなかなか厳しい。「事業化目前」という状態では、足踏みという形に見えてしまうのかも。TXによる調査は株主パワーによるものだったというのは新しいかな。
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記事中でなにかを特筆するというのは難しい内容だった。
目立った進捗はないが、後退しているわけでもない。
こんな表現になるだろうか。