成田空港路線を持つ京成電鉄と、羽田空港路線を持つ京浜急行の間で様々なテーマでの共同検討を行うという内容が2025年10月31日に発表された。
次世代運行システムの導入に向けて、地上設備や車両の共通化について共同で研究や検討を進めるという内容が柱。
具体的には成田空港の新滑走路供用開始を視野に、すでに計画されている成田空港〜押上間の新型有料特急(2028年度運行開始予定)も含めた地上設備や車両共通化も探るという。進捗すれば中央区臨海部と羽田・成田両空港を結ぶアクセスに影響しそう(2025/11/05)。

※D2プランについては末尾にリンク
共同検討に関する合意書の概要
・共同検討を行う鉄道事業者:京浜急行電鉄と京成電鉄
・目的
事業環境が大きく変化(少子高齢化、インバウンド対応等)する中で、輸送サービスの持続可能な提供を行い、空港アクセスのさらなる利便性向上を図ることなどに向けて共同検討を行う
・主な共同検討の項目
鉄道の運行に関する研究・検討
・次世代運行システムの導入へ地上設備、車両の共通化(京成、京急)
・2028年度に京成電鉄が導入する新型有料特急車両の共通化の検討(京急)
株主優待の拡充
・株主優待乗車証とそれぞれの企画乗車券の交換制度
・京急ストアとリブレ京成で使えるお買い物券の相互利用開始
参考 新型有料特急車両の導入について

・成田空港の機能強化に対応し、輸送力増強やサービス向上、押上方面の新規需要獲得を目指す
新型有料特急車両導入の発表について
・2028年度の運行開始を目指し、新型有料特急車両の設計に着手
・成田空港の機能強化に対応するため、空港と都心の間の輸送力増強とサービス向上のため、新型有料特急の導入を決定した
・京成スカイライナーは京成上野〜成田空港間を運行しているが、新型特急は押上〜成田空港間を運行する新たな列車となる
リンク:押上~成田空港間を運行する新型有料特急を導入します|京成電鉄(2025年5月21日)
感想・まとめ
総評
新型有料特急のルートを図に示すと緑色の部分になる。橙色と合わせてアクセス特急のルートということになる。

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成田空港のC滑走路の供用開始に合わせた輸送力増強が計画されていたところ、押上〜成田空港間の新型有料特急車両の導入が2025年5月に公表されていた。これが将来的にアクセス特急に置き換わる、あるいは追加されるという話にも見える。現状でも羽田空港〜成田空港間ではアクセス特急による直通運転をしているので、そうであれば理にかなった方向性だと思う。
JRの羽田アクセス線に対応する有料特急として羽田空港と成田空港間を直通させる意味は大きいだろうね。日中の運行本数が単純に上乗せされるイメージだろうか。
中央区臨海部への影響は?
アクセス特急に追加される形で将来都営浅草線の東銀座、新橋のいずれかの駅に、新型有料特急が停車するケースは考えられる。この2つの駅は中央区臨海部からの空港アクセスに今より重要な機能を持つことになりそう。
特に東駅は築地市場跡地再開発の玄関口になることも示唆されている。
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そう考えると、結構大きな話じゃないかな。
共同でJRの羽田空港アクセス線に対抗する意味合いはあるでしょう。
近い将来、京成ー京急ホールディングスになったりして(根拠なし)。