東京都が2025年10月25日に発表した「空飛ぶクルマ実装プロジェクト」の実施事業者決定を受けて、ポートがどこになるのか気になって調べてみたら、1年前の資料で候補地として丸の内とお台場が上がっていたことがわかった。お台場の候補地はゆりかもめの青海駅近くと思われる(2025/10/29)。

空飛ぶクルマとは
・電動化・自動化、垂直離着陸、自律(パイロットなしで飛行可能)などの運航形態で実現される次世代の空の移動手段
・利用しやすく、持続可能という特徴
実施事業者(10月25日発表)
・日本航空を代表事業者とするコンソーシアム
連携事業者 ソラクル、住友商事、NEC,日本空港ビルディング、日本空港コンサル、大成建設、オリックス、京王電鉄
・野村不動産を代表企業とするコンソーシアム
連携事業者 ANAHD、スカイドライブ、JR東日本、エアロトヨタ、西武HD、日建設計
ロードマップ
フェーズ0 試験飛行、実証飛行
機体開発と型式証明
フェーズ1 商業運航開始、低密度運航
航空運送事業許可、バーティーポート(VP)設計・許可、空域管理、都市計画との整合
フェーズ2 中・高密度運航
ビル屋上、大規模バーティポート(VP)
フェーズ3 高密度運航
自律運航

立ち上げ機におけるVP設置場所
上図では「臨海部・河川付近を中心としたエリア」となっている。
空飛ぶクルマの社会実装を目指すプロジェクトという資料
2024年6月に三菱地所、日本航空、兼松の3社が発表した「都内の空飛ぶクルマの社会実装を目指すプロジェクト事業概要紹介」(東京都制作企画局)という資料があった。※PJの採択事業者と異なる構成であることに注意が必要。

「東京都内必須のボート候補地」として丸の内とお台場が挙げられていた
1割の人が利用する価格帯として20分5万円、10分2万円を想定している。
臨海部(J地区等)ってどこよ?
事業概要紹介で「東京都内必須のボート候補地」で挙げられていた臨海部(J地区)ってどこか。2015年8月に東京都港湾局が発表した「臨海副都心有明南地区・青海地区における土地利用計画等の一部見直し」以降、地図での表記が消えた広さ約1・8ヘクタールの公園緑地用地を示す可能性がある。

J地区(区画)は台場地区と青海地区にそれぞれあるが、お台場のJ地区(区画)は学校用地などとして使われている上、隣接するI地区にタワーマンションがあることなどから、ここが候補地になることは考えにくい。青海地区の方だと考えるのが自然だろう。ゆりかもめ「青海駅」から徒歩5分ぐらいだろうか。


感想・まとめ
1年前に日本航空のグループが発表したレポートに基づいて記事化したが、グループから三菱地所と兼松の名前が消えていることは気に掛かる。ただ、レポートはレポートとして見ることが可能なので、ポート候補地として「J地区」が有力なことは間違いないだろう。野村不動産のグループは浮体式のポートによる計画のようだ。こちらは場所等は良くわからない。
気になる運賃だが、レポートでは「1割の人が利用する価格帯」として20分5万円、10分2万円を想定しているということで、普段使いになるような代物ではなさそう。
J地区っていうのは色々面白いね。良く見ると、お台場大噴水(仮)や築地市場跡地も飛行ルートの近くとなりそう。動いているプロジェクトということで今後の展開に注目したい。