都営バスの営業係数（１００円の収入を得るのに必要な支出）の推移について、２０２４年度の路線別の推移を調べた。中央区臨海部を中心にまとめてみたが、２０２３年度に新型コロナ後の急回復が終了し通常レベルに戻ったと判断できそうだ（2025/10/22）。
（路線図）
- 対象系統＝中央区臨海部の１０系統中心
- 営業係数の推移（２０１５～２４年度）
- 参考 都営バス 経常損益はほぼ横ばい
- 参考 赤字が２億円超は１路線、１億円超は２路線
- 参考 はとバス委託路線の営業係数まとめ
- 感想・まとめ
- 参考リンク等
対象系統＝中央区臨海部の１０系統中心
調査対象は東京都臨海部の以下の１０路線で去年と同じ。
海０１ 門前仲町〜東京テレポート
豊洲０１ 豊洲駅循環
都０３ 晴海埠頭〜四谷駅
都０４ 豊海水産埠頭〜東京駅丸の内南口
都０５ 晴海埠頭〜東京駅丸の内南口
急行０５ 錦糸町〜日本科学未来館
業１０ 新橋〜東京スカイツリー
錦１３ 錦糸町〜晴海埠頭
東１５ 深川車庫〜東京駅八重洲口
東１６ 東京駅八重洲口〜東京ビッグサイト
営業係数の推移（２０１５～２４年度）
営業係数：１００円の収入を得るのに必要な支出。１００未満なら黒字となる。
２０１９年度から２０２２年度の急激な変化は新型コロナの影響。
２０２４年度の路線別の営業係数は次の通り（カッコ内は２３年度）
海０１ 門前仲町〜東京テレポート １０６（１０９）
豊洲０１ 豊洲駅循環 １２３（１２３）
都０３ 晴海埠頭〜四谷駅 １６２（１６３）
都０４ 豊海水産埠頭〜東京駅丸の内南口 １０４（１００）
都０５ 晴海埠頭〜東京駅丸の内南口 ９１（８９）
急行０５ 錦糸町〜日本科学未来館 １１０（１０９）
業１０ 新橋〜東京スカイツリー ９８（９６）
錦１３ 錦糸町〜晴海埠頭 １０３（１０５）
東１５ 深川車庫〜東京駅八重洲口 ９９（１００）
東１６ 東京駅八重洲口〜東京ビッグサイト ８７（８６）
参考 都営バス 経常損益はほぼ横ばい
経常損益を見ると、２０２４年度は１６・２３億円の黒字。２３年度（１６・２６億円の黒字）とほぼ変わらなかった。
対象路線別の経常損益は改善４、悪化６とまちまち（カッコ内は２３年度）
⬆️海０１ 門前仲町〜東京テレポート −４３５９万円（−６２９７万円）
⬆️豊洲０１ 豊洲駅循環 −７４６万円（−８３８万円）
⬇️都０３ 晴海埠頭〜四谷駅 −５１８０万円（−５０７２万円）
⬇️都０４ 豊海水産埠頭〜東京駅丸の内南口 −１９６８万円（７５万円）
⬇️都０５ 晴海埠頭〜東京駅丸の内南口 １億１９９３万円（１億２０５１万円）
⬇️急行０５ 錦糸町〜日本科学未来館 −９４３万円（−８４５万円）
⬇️業１０ 新橋〜東京スカイツリー ２２７５万円（４４１１万円）
⬆️錦１３ 錦糸町〜晴海埠頭 −１６１９万円（−３１９８万円）
⬆️東１５ 深川車庫〜東京駅八重洲口 ２２６万円（−６９万円）
⬇️東１６ 東京駅八重洲口〜東京ビッグサイト ９３８１万円（１億０００１万円）
参考 赤字が２億円超は１路線、１億円超は２路線
⬇️梅７０ 青梅車庫前〜花小金井駅北口 −２億０６３０万円（−１億８４６６万円）
⬆️里４８ 日暮里駅前〜見沼代親水公園前 −１億１４５８万円（−１億２３１０万円）
⬇️品９８ 品川駅港南口〜大田市場 −１億０２３７万円（−９３０５万円）
※黒字路線は全体の３７％、４６路線（前年度は３８％、４８路線だった）
参考 はとバス委託路線の営業係数まとめ
東京都が「はとバス」に運行委託していた路線の２０２４年度の営業係数をまとめた。（カッコ内は２３年度）。運行委託終了に伴い、２０２５年１０月１日付で減便を含むダイヤ改正されていて、２０２５年度にどのように影響するのか気になるところ。
* 品川営業所・港南支所 ４系統
* 橋８６ 目黒駅前＝東京タワー／新橋駅前 営業係数１５５（１６３）
* 田９２ 品川駅港南口＝田町駅東口 営業係数１２４（１２４）
* 浜９５ 品川駅港南口＝東京タワー 営業係数１５８（１６８）
* 田９９ 品川駅港南口＝港南四丁目（直行）営業係数１８７（２０１）
* 渋谷営業所・新宿支所 ２系統
* 宿７４ 新宿駅西口＝東京女子医大前 営業係数１４０（１３６）
* 宿７５ 新宿駅西口＝三宅坂 営業係数１７８（１７１）
* 早稲田営業所・杉並支所 １系統
* 宿９１ 新宿駅西口＝新代田駅前 営業係数１１４（１１５）
* 杉並・港南・新宿 １系統
* 品９７ 品川車庫前／品川駅高輪口＝新宿駅西口 営業係数１０９（１０９）* 南千住営業所・青戸支所 ３系統
* 上２３ 平井駅前＝上野松坂屋前 営業係数１１０（１１１）
* 上２３出入 平井駅前＝青戸車庫前
* 錦３７ 青戸車庫前＝錦糸町駅前 営業係数１０４（１０５）
* 青戸・臨海 １系統
* 平２８ 東大島駅前＝（平井駅前・循環） 営業係数９７（１０１）
* 江戸川営業所・臨海支所 ９系統
* 臨海２２ 臨海車庫＝船堀駅前 営業係数１２３（１３０）
* 平２３ 葛西駅前＝平井駅前 営業係数１２８（１２８）
* 秋２６ 葛西駅前＝秋葉原駅前 営業係数９８（１００）
* 亀２６ 今井＝亀戸駅前 営業係数１０３（１０５）
* 西葛２６ 船堀駅前＝葛西臨海公園駅前 営業係数１３４（１３４）
* 両２８ 臨海車庫／第六葛西小学校／葛西橋＝両国駅前 営業係数１１３（１１６）
* 臨海２８−２ 臨海車庫＝葛西駅前／一之江駅前 営業係数９０（９３）
* 臨海２８−３ 臨海車庫＝葛西駅前
* 新小２９ 葛西駅前／東京臨海病院前＝東新小岩四丁目 営業係数９５（９６）
感想・まとめ
こちらも追跡を始めてもう１０年か。
２０２４年度に２０２３年度と大きな変化はなく、新型コロナ後の急回復局面は終了したと見ていいだろう。
はとバス委託の路線群については、厳しい路線もそうでない路線も混ざっている。これらの収支が来年どうなっていくのかということも考えて今回掲載しておいた。
バス事業は今後、乗務員不足に長期間直面することになるので、その影響を見極めるため当分チェックは続けたい。
