都営バスの有明営業所(東京都交通局有明自動車営業所)に当初設置される予定だった水素ステーションが2025年4月1日にようやく運用開始となるバス営業所内の水素ステーションとしては国内第一号だそうだが、当初計画からの遅延は5年か(2025/03/28)。
水素ステーション概要
運用開始日 2025年4月1日
敷地面積 約1000㎡
供給方式 液化水素貯蔵(オフサイト型)
重点圧力 82メガパスカル
参考 2016年発表の計画では2019年度末竣工予定だった
建設通信新聞の報道として、2016年10月17日付のどらったら!アーカイブでこの水素ステーションの設置計画について初めて触れていた。2019年度末に竣工が計画されていたようだ。
8年半近く遅れての運用開始ということになる。
参考 結局水素政策ってどうなってんの?
水素の燃やし方には水素専焼と水素混焼があり、水素混焼は他のガスと水素を混ぜて燃やすことで、二酸化炭素の排出量を減らす(多分水素専燃よりは増える)もの。既存の天然ガスや石炭火力発電所を使えるという大きなメリットがあるそうだ。水素専燃の前の段階として考えられているらしい。
ところが、混焼の燃焼器開発が遅れているようで、実機実証実験の公募が2023年5月になされたが、「水素高混焼発電実証にコミットできる発電事業者が存在しない」という状況で、公募延期となっている。
水素を取り巻く国内外の情勢と水素政策の現状(2024年9月、資源エネルギー庁)
水素ステーションの稼働は154ヶ所(2025年3月)
水素ステーション普及状況_水素ステーションの補助金交付を行う次世代自動車振興センター
・2020年の設置目標にも届かず
2020年は160箇所
2025年に320箇所
2030年には1000箇所
(脱炭素技術センター)
感想・まとめ
水素における日本恩強みは技術面で一定の先進性を確保していることと、国の戦略の方向性も示されていることなど。弱みはインフラ整備が遅れていること、ヨーロッパなどとの競争が激化していること、水素の製造コストが以前として高いことなどがあるようだ。
何かのきっかけで、普及が急速に進むかもしれないし、遅々としてなかなか進まないかもしれない。
ただ、今回の有明営業所の遅延などを見ると遅れるのだろうなあ。