そろそろ2025年も花粉の飛来が気になる季節になってきたので、個人でできる対策を調べてみた。ここでは治療ではなく対策をとり上げる(2025/02/19)。
花粉症の仕組み
感作まで
・鼻の内側の粘膜の綿毛に花粉がくっつき、運び出されなかった花粉が、アレルギーの原因となる抗原たんぱくCryj1、Cryj2の成分を鼻の粘膜に浸透させる
・これらが鼻の粘膜内に入ると、異物を認識するマクロファージが得た花粉抗原に対する情報がT細胞(リンパ球)に送られる。
・T細胞はB細胞(リンパ球)に花粉抗原の情報を送り、花粉に合う「スギ特異的gE抗原」が作られる(感作)。
過敏な状態惹起
・花粉症ではスギ特異的IgE抗体がアレルギーの原因の細胞にくっついている。これにスギ抗原Cryj1、Cryj2を捕まえてくっつく
・細胞が活動を始めてアレルギーの原因物質を放出する
・くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが生じる
・この状態が続くと、鼻では好酸球という細胞が多くなり、上皮細胞を傷つけて過敏な症状が引き起こされる
セルフケア マスクとメガネの効果
厚生労働省が資料の中で示した対策は7つ。
1 花粉情報に注意する
2 花粉の飛散が多い時は外出時にマスク、メガネを使う
3 飛散が多い時の外出を控える
4 飛散が多い時は窓、戸を閉めておく
5 表面がけばけばした毛織物などのコートの使用を避ける
6 帰宅時は衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをして鼻を噛む
7 掃除を励行する
これらのうち、メガネとマスクの効果について示した表があった。通常のメガネやマスクで1/2〜1/3、花粉症用のメガネやマスクで1/3〜1/6の花粉数になっているので、相当な効果があるとみて良さそう。
コンタクトレンズよりはメガネが良く、ダテメガネも有効とのこと。
このほか、花粉は昼前後と夕方に多く飛散すること、テレワークの活用、布団の外干しを避けるなどの予防行動も推奨されていた。
参考 治療について
症状を抑える対症療法と、定期的に薬剤を投与するアレルゲン免疫療法がある。
アレルゲン免疫療法は、スギ花粉の成分が含まれた薬剤を定期的に投与するもので、花粉の成分に体がなれるようにして、スギ花粉が体内に入ってもアレルギー反応が起きないようにする治療法。
ここでは触れない。詳しくは下の参考リンクへ。
感想・まとめ
国の対策は3つの段階で実施されていた。一つは発生源対策で、スギ人工林の植え替えなど、次が飛散対策で、飛散量の予測と抑止。飛散防止剤なるものの実証試験が行われているとのこと。最後が発症・曝露対策で、花粉症の治療や本エントリで紹介した予防行動がこれにあたる。
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メガネやマスクが思った以上に有効なのか。
コロナ流行時にマスクは正しくつけないと意味がないようなことを刷り込まれていたので、気休め程度かと思っていた。
これは、対策メガネ用意しとこう。