中央区は2024年度一般会計の9月補正予算を計上し、都心と臨海地域を結ぶ交通環境の整備を後押しする。複数の中央区議員が東京BRTの東京駅ルート整備促進を伺わせているが、ニュアンスがやや異なる(2024/09/24)。
予算案概要 都心と臨海地域とを結ぶ交通環境整備促進
歳出 4800万円
内容 臨海部の公共交通網を拡充するため、都心と臨海地域とを結ぶ交通ルートの事業化が早期に実現されるよう東京都と連携するとともに運行事業者に対する調整、支援を行う
中央区議の関連投稿(SNS)
山本りえ議員
・新ルートとなる東京駅八重洲行きのBRT停留所を整備する
高橋元気議員
・銀座や東京駅方面へのBRT新規ルート拡大に向け、早期実現を促す
・東京都と事業者は既存ルートの交通環境改善を優先し、新規ルート拡大に着手していない
・BRT等の拡大は中央区の喫緊の課題。区が停留所の場所の調査と一部設置費用を負担する代わりに早期開通を東京都と事業者と協定書を交わし約束させる
感想・まとめ
議員のふたりとも「都心と臨海地域とを結ぶ交通ルートの事業化」が東京BRTの八重洲延伸であることについては一致している。ここまでは正しいのだろう。
八重洲延伸の早期実現には大いに期待したいところだが、ハードルはとても高いと感じている。区議2人のSNS投稿からは、残念ながらルートの調整が進んでいるとは読み取れないし、停留所を整備するとも言えないと思う。
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実現に向けたハードルは東京BRTの経営状況、バスターミナル東京八重洲の乗り入れコスト、築地市場跡地乗り入れコスト、築地市場再開発に伴う周辺交通環境の激変、残業規制強化と運転士不足、FCバスの運行コスト、臨海地下鉄との競合など、ちょっと考えただけでもこれぐらいは思いつく。
今後の協議を前に、あらかじめ停留所に関する調査費の予算化や設置費用の負担に関する予算化をしておいて、カードに使いたいのかな。
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地域公共交通網における東京BRTの役割を考えると、八重洲ルートが実現した場合、幹線を築地市場跡地に直接乗り入れて銀座を通し、東京駅に至るルートにしたいのではないかな。その場合、上下各1バースしかない勝どきBRT(停留所)の容量が不足するので、幹線ルートの快速便がある程度増えそうな気がする。
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まずは増車を着実に進めて輸送力増強を図り、経営を軌道に乗せてほしいなあ。要望の話はそれからではないかな。
参考リンク等
令和6年度中央区一般会計9月補正予算では、交通環境整備促進支援事業として4,800万円計上。さらなる交通需要の増加が見込まれる臨海部の公共交通網を拡充するため、新たなルートとなる東京駅八重洲行きのBRT停留所を整備するもの🚏
— 山本 理恵 中央区議会議員 (@yamarie0324) September 24, 2024
📚 https://t.co/dKqQZR2iIn
🚌 https://t.co/2hq5JOzKUB#東京BRT pic.twitter.com/hKQTE15D2R
【BRTの新規ルート拡大へ】
— 高橋元気(中央区議会議員/出張鮨職人見習) (@genki_takahashi) September 24, 2024
本日補正予算が審議されました。
今回の補正案で、中央区が銀座や東京駅方面へのBRT新規ルート拡大に向け、早期開通を促すため一部予算を拠出する案が示されました。… pic.twitter.com/Up8JhvO9fU