東京メトロが所有する車両の輪軸組み立て作業の委託先「メトロ車両」が、車輪を車軸にはめるための圧入力値について、基準値を超えた場合に基準内に収まるように改ざんしていたそうだ。国土交通省が2024年9月18日に国土交通省が発表した。
経緯
2024年9月12日
国土交通省が全国の鉄軌道事業者に対し、鉄道車両における輪軸の緊急点検を指示
9月18日
・3社の輪軸組み立て作業の委託先「メトロ車両」が車輪を車軸にはめるための圧入力値について、基準値を超えた場合に基準内に収まるように記録簿に記載し、3社に報告していた
東京メトロの緊急点検
全9路線 約11000軸(約330編成、約2700両)
点検結果
圧入力値が社内基準値を超過している輪軸 225軸
基準値上限を平均約3%超過、最大約34%超過
・圧入力値は機械で自動入力するが、一部手作業で記録を修正することが可能
原因
・委託先会社でJIS規格で定める値「上限基準値の+10%以内」の記載を背景に、基準値超過について一定の範囲なら問題ないとの認識があったと思われる
東京メトロの対応
・上限基準値+10%以内の輪軸を有する車両(223軸)のうち、銀座線と丸の内線を除く全路線の車両(184軸)は、車輪圧入作業後に超音波探傷検査を実施しているため、安全性を確認の上、使用している
・銀座線と丸の内線の車両(39軸)は直ちに使用を中止、超音波探傷検査を実施の上、使用を再開した。
・上限値の10%を超過した2軸については、直ちに使用を中止。使用再開にあたっては今後車輪の嵌替を実施する。
影響
3社の対応
圧入力値の超過が一定の範囲内に収まっているものについては、超音波探傷検査により安全性を確保して運行を継続。
それ以外のものついては、一旦使用を停止。輪軸の交換をおこなった上で使用再開予定
都営地下鉄と荒川線でも計467軸のデータ差し替えが判明
受託事業者 京王重機整備
京王重機整備からの報告内容
車輪を軸に嵌め込むザ行の圧入力値が当局の指示した基準値を逸脱していたにもかかわらず、当局に対しては基準値内の数値に差し替えて提出していた
浅草線 表記なし(864軸 27編成中)
三田線 203軸 20編成(992軸 37編成中)※96軸 4編成は確認できず
新宿線 230軸 14編成(1120軸 28編成中)
大江戸線 1軸 1編成(1856軸 58編成中)
荒川線 33軸 12両 (132軸 33両中)
都営交通の対応
基準値を下回った車両とデータが確認できない車両については、緊急点検でバックゲージの測定を実施。車輪の緩みがなく安全性に問題がないことを確認
基準値を超過した大江戸線の1編成(1軸)は運用を停止。近日中に輪軸を交換予定
参考 MXTVがわかりやすい
組み立て作業は、車輪に車軸を圧力をかけて押し込んで組み立てていくが、その際に記録される圧力の数値が基準値を超えていた車軸が確認された
感想・まとめ
我らが大江戸線は1軸、1編成だったけど。
業界では常識だったのだろうね。
不正とは考えていなかったのだろうね。
こわいこわい。