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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#2007 築地跡地再開発は小学校増枠困難と人流分散、場外機能維持が課題 合同まちづくり協議会

2024年4月30日、築地市場跡地再開発事業者から2つの合同まちづくり協議会に対する事業説明会が開催された。中央区から議事要旨が公表されたのでまとめておく(2024/05/27)。

合同街づくり協議会①・議事要旨

 「勝どき・豊海地区まちづくり協議会」、「勝どき五・六丁目、豊海分会」及び「晴海地区まちづくり協議会」合同まちづくり協議会 4月30日

Q 資料の配棟計画③⑦⑧は分譲マンションか

 →一部分譲マンションを考えている。賃貸マンションも検討。戸数や商品企画は今後

Q 都への提案に戸数は示したか

 →示していない。分譲は全体の床面積の3%まで。

 想定は賃貸も含めて全体で500〜700戸の中で検討する流れ

Q 5万人規模のスタジアム。地下鉄新線できるまでに完成予定、人の動線

 →新線ができるまでの人の動線確保は特に大きな課題

  歩車の完全分離

  新橋・銀座方面への人の流れの分散誘導 

  店舗等を配置し、イベント後に人が分散できる手段

を検討していく

 →イベントの開催頻度、開始時間は今後検討。

  地下鉄新線開業までは分散に取り組む。シャトルバス等の運行で、人流、交通機関の渋滞が起きないようにしたい

Q 銀座や新橋へは徒歩で行くのか

 →一部を誘える計画にしたい。分散を考えたい

 →大江戸線の処理能力に限界がある。築地駅も限度がある。銀座.新橋方面に分散したい。臨時バス等の運用を検討する。この施設でもう少し滞留してもらえるよう工夫。時間帯を分けることを含めた分散が重要

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Q 樹木はどうする

 →整備予定。桜を含む。環状2号線の橋の右側。ランドスケープを含めブラッシュアップする。植栽は大事。芝生エリアは広い年齢がアクティビティを行う場と考えている

Q 高層建物の高さは

 →航空法の制限があり210m程度

Q オフィス棟、MICE、ホテル、レジデンス棟が高層になると、築地6丁目や場外市場が日陰になる。午前から昼くらいが一番賑やかになるのでその時間の日陰はいかがか

 →今後影響を検討。建物が立つので日陰はできるが周辺への影響については建物配置のバランス等を考えて検討したい

Q レジデンス整備とあるが、地域の小中学校の教室は考慮したか

 →重要な観点。商品企画を考えていく中でどういう方をターゲットにするか検討。行政とも相談したい

Q 新橋や銀座に人が歩くと、救急車の走行に支障が出るため歩行者の誘導を考える必要がある

 →これから具体的に考える

Q 大江戸線がパンクすると困る。対岸の勝どき・晴海への影響は検討したか

 →人の流れ、車の流れは検討したが詳細はこれから

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Q どういう周期で会議隊を持つか。開発の時間軸に合わせた形で今何を極めたいかなど、アジェンダを示してほしい

 →会議体等については行政をも相談し検討したい。地元の意見をきいて進めたい

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Q 中央区でこれ以上住宅をつくるとなると、中央区にもう小学校を作る敷地はない。中央区はどう考えるか

 →(副区長)正直に言って築地市場跡地に住宅を作ると思っていなかった。小学校、中学校などの児童.生徒がでてくるようなレジデンスを考えているわけではないと思っている。商品企画はこれから相談させていただくが、この開発で児童生徒が増えますという話は困るので、学校が逼迫している状況を踏まえながら今後調整させていただきたい。

 →(事業者)中央区と相談して商品企画を検討したい

吉田副区長コメント概要

 5万人規模のスタジアム。晴海通り、環状2号線で渋滞が起きれば周辺地域の生活に影響がでる。

 環状2号線を通る車がスムーズに敷地内で処理されなければ環状2号、晴海通りで渋滞が起きる。 影響が出ないようにどういう計画を作るかが大事。

 事業予定者が案を固めていく中で支障が生じないように調整していかなければいけないと思っている

 5万人以上を晴海通り、新大橋通りで処理しようとするとパンクする。工夫しなければならい。

 立派なものができて世界中から色々な人が集まる場所になってもらいたいが、交通の問題を含めて地元に迷惑が降りかかってくるようでは困るので、スムーズに処理ができるようにこの1〜2年の間に意見を出し合って納得できる絵やスケジュールを作らなければならない。

合同づくり協議会②・議事要旨

銀座地区・築地地区合同まちづくり協議会 4月30日

Q 日比谷ミッドタウンと築地の開発に銀座がサンドイッチ。関連は?

 →開発に携わる場合はその土地の歴史、文化を踏まえていく。日比谷と築地はそれぞれ文化的な発信をしてきた点で共通する。日比谷ミッドタウンはエンターテインメント、劇場集結の特徴。築地は外国人居留地としての文化、食を継承、発展させたい。

 →築地には明治時代に日本初の西洋式ホテルが作られた歴史がある。国際的な玄関口としての機能を持たせたい

Q 東京ドームの建て替えにあたり、ホーム球場の移転の話を耳にしたが計画は

 →特定球団の本拠地を移転することを前提に検討してきたものではない

Q ライフサイエンスとバイオテクノロジーの拠点は日本橋にもある。サイズ感は?

 →バッティングではなく、築地は立地特性を生かした新たな取り組みとしたい

Q レジデンス整備。京橋築地小学校の学区になる。人口が増えると京橋築地にはそこまで入れないだろう。明石小学校、泰明小学校、月島第二小学校があるが、学校のキャパシティの問題は町との連携dえ解決されるのか、施設内で解決するのか

 →重要課題と認識。地元行政と協議しながら進めたい。

Q オフィス棟⑨の位置が気になる。舟運施設充実、築地・東銀座・銀座というルートが非常に大事と考えるが、そのルートのど真ん中にオフィスビルは話が違うのではないか。隅田川から銀座まで1本のルートを作ることが大事

 →波除神社の隣接地に広場を設ける計画。築地場外と築地市場跡地で双方に行き来がしやすい計画にしたい。ご指摘は踏まえたい

Q メインは晴海通りだと思うが。KK線もなくなると銀座を横断する交通網が厳しくなる。10年度はイベント開催時の晴海通りの車両交通に懸念。対策は?

 →しっかりと対策に取り組まないといけないと認識。しっかり検討して人の流れが分散できるとことは分散していく。

Q もともと場外市場に必要な物流施設や動線等は中央卸売市場全体で確保していた。現在は機能不全。なくてはならないインフラがあり、できるだけ早い段階で要望を聞いていただける会議体を作って、詳細計画の検討を進めてほしい。

 →工事期間中も後も場外市場の機能を損なわない形で検討したい。

Q 地元要望を伝える窓口は

 →まだ準備できていない

Q 先行整備の賑わい施設のスピード感

 →配棟計画⑨オフィス棟のあたり。意見を伺いながら具体化したい

Q 場外市場隣接部分は建築制限区域。2040年ごろまでは今のままの可能性があるといく。場外市場が影響する中で建設工事が行われるが営業を止めるわけにはいかない。2040年ごろまで取り残された状態になるのではないか。

 →地元の方や区の方とも今後意見交換したい

Q 交通計画。現状、晴海通り、新大橋通り、環状2号線いずれも渋滞している。バースに道路の表現がない。早急に1階レベルの交通計画を示してほしい。

 →車と歩行者の動線を完全に分ける形を考えている。歩行者は別のレベルを通行。詳細は検討中だが、なるべく早く示したい。

Q ヒートアイランドを懸念。整備で風がどう変わるのか。今の環境を失わないようにしていただきたい。

 →風環境は重要と認識。夏場の風を内陸に通しやすいように風の通り道になるように敷地中央のスタジアムような少し低い建物を計画している。

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Q 空飛ぶクルマ。そばに浜離宮があり、野鳥がかなり生息している。考慮を。築地の施設とJR新橋駅、近照津駅の連絡通路は雨の日は濡れずに行けるように

 →空飛ぶクルマは今後10年で進展があると考えている。野鳥のことも考えたい。連絡通路についてもできることを考えたい

吉田副区長コメント概要

 キーワードは共存共栄。

 工事期間中と完成後に共存共栄のために何が必要か検討することが大事。

 晴海通り、新大橋通りは幹線道路であり産業道路。地上での横断は相当危険性が高い。

 人の動き、車の動きをどう計画するか。周辺との連携をどう保つのかがこの計画の一番大事な部分。

参考 5つのポイント

①5万人台収容の大規模集客施設(マルチスタジアム)を中心とする

ウェルネスイノベーション」「食・体験・にぎわい」「迎賓・ホスピタリティ」を3つの柱に国際競争力を強化

②世界に誇る食、文化、芸術を発展。築地の歴史と発展を生かした観光都市に

浜離宮庭園隅田川を生かし、約10万㎡の都心有数のオープンスペース。多くの人に集ってもらい、くつろぎ、さまざまな体験をしてもらえるスペースとする

④陸海空の広域交通結節点の整備、築地の場外市場と連動した賑わいと交流の促進

 地下鉄新駅との結節、首都高晴海線との結節 空飛ぶクルマの乗り入れ

 バスやタクシーの乗り入れ

 次世代モビリティの活用

⑤最先端の環境技術を活用したカーボンニュートラルの達成

参考 配棟計画

中央区

①大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)

・約5万人規模(用途に応じて約27000〜57000席)

・可動席と仮設席でスタジアムが「超可変性」

・想定イベントはラグビー、サッカー、野球、サッカー、バスケ、eスポーツ、MICE、音楽ライブ、コンサート、演劇等)

②ライフサイエンス・商業複合棟 「ライフサイエンスコミュニティ中核拠点」

国立がん研究センターに近接し、霞ヶ関にも近い立地を生かして、高度人材や情報の集積を促す「イノベーション・プラットフォーム」を構築。バイオテクノロジー、ヘルスケア産業の強化を目指す

③MICE・ホテル・レジデンス棟

・MICE施設(メインホール、バンケット、大中小会議室等)

・上質な大規模ホテル

・短期〜中期滞在の拠点として使える居住機能

④舟運・シアターホール複合棟

・築地ならではのフードホール、食に関する研究機能を持つフードラボ

・文化、芸術の感動を共有するシアターホール(収容人数約1200人)

・舟運待機機能

⑤⑥ホテル棟

浜離宮恩賜庭園の景観を取り込む

国賓やVIPの迎え入れが可能な世界トップクラスの宿泊滞在機能

⑦レジデンス棟

・世界のエグゼクティブや高度人材を受け入れる滞在・居住機能

⑧オフィス・レジデンス棟

・中長期の滞在ニーズに応えるハイグレードな居住機能とオフィス

⑨オフィス棟

・シェアオフィスを含むオフィスと商業機能

感想・まとめ

もともとの当初案は審査の過程でかなりダメ出しが多かった印象。

dorattara.hatenablog.com

 まちづくり協議会でも相当課題が指摘された。

 当初案では地元の納得は得られないだろうが、どう修正してくるのか。

 これは大変だわ。

参考リンク

www.city.chuo.lg.jp