将来の気温が2度上昇する気候変動を想定した東京湾沿岸海岸保全基本計画(東京都区間)の案が示された。2100年に必要な防潮堤の嵩上げは豊洲で60センチ、晴海で80センチとなっている。ここでは豊洲・晴海・有明区間について見ておく(2022/11/09)。
防潮堤の嵩上げの考え方
・海面水位の上昇、台風の激化に対応するため、施設更新時などに併せてその時点で今後増大する外力を見込んだ嵩上げを行う必要がある
・嵩上げは段階的に実施。2100年の計画天端高を目指し、第一段階では施設耐用年数50年後の海面上昇予測分に、余裕高30センチを考慮し整備する
海面上昇
IPCC第5次報告書では2100年までに2℃上昇した場合の海面上昇は最大0・59m→将来の海面上昇として0・6mを設定。
現在の計画天端高と将来の計画天端高
※嵩上げはプラス要素が海面上昇分が60センチ、余裕高が30センチで固定。偏差が10〜30センチ。一方、マイナス要素が波浪分で0〜120センチ。計画天端高の上限8mは変更なし。
各地区の嵩上げ幅が異なるのは波浪分のマイナス要素の差ということになる。
豊洲・晴海・有明北地区
整備事項 海岸保全施設の適切な維持管理
海岸保全施設 防潮堤
計画天端高(A・P+) 現在6・5m 将来6・8m〜7・3m
保全区域延長 12・9km
整備方針
緑 防護、環境、利用の調和した整備を目指す
赤 主として防護機能の確保を目指す
青 海岸事業以外で整備する護岸
海岸保全施設の種類、規模、配置
赤 海岸保全施設を新設しようとする区域
赤/黒 海岸保全施設を改良しようとする区域
黒 海岸保全施設が存在する区域
黄 海岸保全区域の指定を予定している区域
緑 海岸管理者以外のものが海岸保全施設を管理する区域
※手をつけるのは赤い部分で、黒い部分は特に手をつけない。
感想・まとめ
地球温暖化の影響として海面上昇だけではなく、激しい降雨の増加も予測される。
地盤沈下をしていなくても海面上昇に伴ってゼロメートル地帯が広がるであろう江東東部低地の強靱化が優先なんだろうなと思うなあ。
・・・
豊洲ぐるり公園などが嵩上げされるわけではないようだね。
豊洲ぐるり公園や晴海臨海公園、晴海ふ頭公園全域を嵩上げするわけではないのね。
— どらったら! (@Chuoinfom) 2022年11月14日
嵩上げ対象は全体の半分の約30キロ。海岸保全施設の種類・規模・配置図のなかの赤線の部分(新設)や赤線と黒線が重なった部分(改良)エリアが対象。 pic.twitter.com/OXbjt18cWY