鉄道プレスネットさんが2022年5月7日付で東京8号線延伸部と品川地下鉄の事業基本計画などを公表した。東京8号線延伸部の中間駅は枝川、東陽町、千石の3駅となっているほか、総事業費が2700億円となり、5年前の江東区調査から1・9倍に膨らんでいることが目を引いた。ここでは、これまに公表されていた資料と何が変わったのか比較しておく(2022/05/08)。
中間駅名は「千石駅」と「枝川駅」。
— どらったら! (@Chuoinfom) 2022年5月7日
詳細位置も。
※変更の可能性がある。
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東京メトロ「品川地下鉄」「有楽町線延伸」運転間隔は最短5分 事業基本計画など判明 https://t.co/h1HHkMaWy9
東京8号線概要(豊洲〜住吉間)
・中間駅は枝川、東陽町、千石の3駅
・豊洲駅を出て左方向に半径163mのカーブがあり、これ以外はほぼ直線に近い。
・東京臨海部の地下鉄によく見られる駅と駅の間が下って上る形。
赤の太線部分が地下鉄が作られる空間です。地下深いところを通る大江戸線は、だいたい似たり寄ったりです。ルート上で一番高い場所が駅で、基本的には駅から下りを加速して、登りで減速する「省エネ」な作りになっていることがわかります。
地下鉄建設・維持は地下水との戦いですから、駅を坂の上に配置するのは、地下水が大量に漏れたような緊急時に駅への被害を最小限に食い止めて早期の復旧につなげる狙いもあるようです(dorattara! ARCHIVE)
豊洲〜枝川 1・25キロ
・豊洲駅から30‰の上りの後、35‰の下り、35‰の上りを経て枝川駅
枝川〜東陽町 1・82キロ
・枝川駅から22‰の下りの後、35‰の下り、35‰の上りを経て東陽町駅
東陽町〜千石 1・11キロ
・ほぼフラット。
千石〜住吉 1キロ
・千石駅から23‰、35‰の下りを経てほぼフラットに。
事業基本計画
開業時計画供給輸送力 228000人/日
運転間隔 朝ラッシュ時5分、日中7分30秒、夕方ラッシュ時6分
10両編成(定員 151・8人/両、1編成1518人)
平日150回/日、土休日143回/日の運転
ラッシュ時輸送力 12回/時 約19000人/時
ラッシュ時集中率 20%
総建設費 2689億8200万円
国庫補助 601億6600万円
地方公共団体補助 1136億6600万円
鉄道・運輸機構 951億5000万円
損益
開業14年目 単年度黒字化
開業29年目 累積黒字化
資金収支
開業29年目 単年度黒字化
開業40年目 累積黒字化
これまでに公表されていたデータと比較する(dorattara! ARCHIVE)
交通政策審議会小委員会分析
・整備区間 5・2キロ
・総事業費 1500億円
・費用便益比 2〜2・1
・累積資金収支黒字転換 約25年
2017年江東区調査
感想・まとめ
2017年に江東区が発表した調査内容と比較すると
・総事業費は9割増(1420億→2689億)
・1日の輸送人員は18%減(27・8万人/日→22・8万人/日)
・累積資金収支黒字転換 30年→40年
総事業費がこれだけ膨らんだのは東陽町駅の超絶難工事も要因の一つだろう。
品川地下鉄は総事業費が当初比で減っているのとは対照的。具体化に向けた前進は喜ばしいが、事業環境の悪化は数字にも現れているようだ。
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それにしても、臨海地下鉄新線は一体いくらになるのだろうね。