財務省の財政制度審議会が開かれ、政府保有の東京メトロ株式の一部売却を諮問した。東京メトロの東京8号線、都心・品川地下鉄構想の事業着手に向けた一歩が踏み出された形(2021/12/08)。
記事概要(日本経済新聞、2021/12/08)
・財務省の財政制度審議会に政府保有の東京メトロ株式に一部売却が諮問された、
・メトロ株は国が53・4%、東京都が46・6%所有。売却により保有比率を両者合わせて50%にする計画。
・財務省試算でメトロの企業価値を6400億とした場合、単純計算で3200億円分が売却される。政府保有分は約1700億円に相当。
・売却期限は2027年度まで
・売却益は東日本大震災の復興予算に充当
今後の流れ
3カ月後 答申
4カ月後 主幹事証券会社決定
1年半後 売り出しの大概公表/市場での売却
感想・まとめ
ブックビルディング方式による売却が市場慣行となっているようだ。
東京メトロの新線事業着手のいくつかの前提のうちの一つがクリアされつつある。
残るのは「十分な公的支援」の仕組みと「経営環境」。
現状、最大の課題は経営環境ではないかな。
参考:最速の開業スケジュール(2020年7月のエントリより)
2016年7月のエントリによると 東京メトロとの合意を前提とした最速のケースでは
・2018年度の国の予算に反映(2年後)
・2027年度末の開業 (11年後)
これをそのまま現状に当てはめた場合、建設工事に問題がなく東京メトロとの合意が成立したとして
・2022年度の国の予算に反映
・2031年度末の開業
#586 東京8号線の最近の検討状況 新型コロナの影響も考慮 - どらったら!!
#586から1年半が経過、相当な難工事が予想されていることを合わせて考えると、
・2024年度の国の予算に反映
・2033年度末の開業
ぐらいが最速のスケジュールだろうか。
あとはメトロの経営環境が着手を許す状況かどうか。