東京消防庁がおおむね5年に1回公表している「地域別出火危険度判定」の中で、単位面積あたりの出火件数で分類した6段階のランク分けが公表された。6段階(ランク6が単位面積あたりの出火件数が最大)のうち、豊洲三丁目と東雲一丁目はランク4となっているのが特に目を引いたほか、豊洲五丁目がランク3となった。
湾岸エリアは地震災害に対して「非常に安全」というのが一般的な認識だったと思うので、やや意外。公表範囲は都内全域に及ぶが、今回は中央区島部、江東区豊洲、東雲、有明一丁目に限定して確認しておく(2021/11/20)。
地域別出火危険度測定(2021年6月)
地震時に火災が発生する危険度を地域ごとに評価する。おおむね5年に1度の間隔で公表する。直近のものは2021年6月に公表されている。
前提条件は4項目
①地震動の設定 2018年(東京都)による「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」の設定方法(=工学的基盤に同一の地震動を設定する方法。震源は設定しない)に基づき、30センチ毎秒の速度を入射、地表に現れた計測震度に変換
②季節・時間 夏と冬、昼と夕方(出火危険度は冬の夕方が最も高いため、冬の夕方で表示)
④町丁目単位と250mメッシュ単位
総合出火危険度
出火件数密度(件数/㎢)
ランク5、ランク6 なし
ランク4(2・0以上4・0未満)
中央区 勝どき一、勝どき二、勝どき六
ランク3(1・0以上2・0未満)
中央区 佃一、佃二、佃四、月島全域、勝どき三、勝どき四、晴海三
ランク2(0・5以上1・0未満)
ランク1(0・5未満)
中央区 晴海ニ、晴海四、晴海五
火器器具からの出火危険度
出火件数密度(件数/㎢)
ランク5、ランク6 なし
ランク4(0・5以上1・0未満)
中央区 佃二、勝どき一、勝どき二、勝どき六、月島一、月島三
江東区 東雲一
ランク3(0・25以上0・5未満)
中央区 佃一、佃三、月島二、月島四、勝どき三〜五、晴海三
ランク2(0・1以上0・25未満)
ランク1(0・1未満)
中央区 晴海ニ、晴海四、晴海五
電気器具からの出火度
出火件数密度(件数/㎢)
ランク5、ランク6 なし
ランク4(2・0以上4・0未満)
中央区 勝どき六
江東区 臨海部なし
ランク3(1・0以上2・0未満)
中央区 佃二、月島一〜三、勝どき一〜三
ランク2(0・5以上1・0未満)
中央区 佃一、佃三、月島四、勝どき二、勝どき五、晴海一、晴海三、豊海町
ランク1(0・5未満)
中央区 晴海二、晴海四、晴海五
危険物施設からの出火危険度
ランク4〜ランク6なし
ランク3(0・01以上0・02未満) 豊洲三
ランク2(0・005以上0・01未満) 勝どき六
ランク1(0・01未満) 他の地域全て
感想・まとめ
総合出火危険度は1平方キロで2〜4件の出火がレベル4。
必ずしも木密地域と一致しないのが興味深い。出火件数に着目した危険度という点では、住宅の密集度も関係するのかもしれない。
臨海部といえども油断はだめ。というところか。