東京都は多摩地域の新たな振興プランを取りまとめた。前回2017年版を更新した内容。本編190ページと内容があまりに多岐にわたるので、目に止まったもののみピックアップした(2021/09/11)。
概要
2017年9月「多摩の振興プラン」策定。
2021年9月「新しい多摩の振興プラン」
・社会経済情勢の大きな変化を踏まえて3カ年で東京都が実施する取り組みを中心に、多摩に特化した視点で取りまとめたものを新たに策定。
多摩地域のさらなる発展を目指した取り組み 2021〜23年度の主なもの
新しい働き方が浸透し、誰もが輝き、暮らしやすいまち
・サテライトオフィス設置補助 16件/年
・立川国際中等教育学校に小学校を設置、12年間一貫した教育課程を実現する(工事中、2022年度開校予定)
安全安心な暮らしを守るまち
・立川地域防災センターの機能強化(21:基本計画、23:基本設計)
・立川広域防災基地へのアクセス性強化
・多摩地域の無電柱化推進
1次緊急輸送道路(24年度50%、35年度100%=都内全域)を目指す
主要駅周辺(35年度完了=都内全域)
・送水管の二重化(浄水を給水所に送るルート)
・導水施設の二重化(取水施設の減衰を浄水場に送るルート)
・浄水施設、配水池の耐震化
・下水道施設の震災対策、非常時の電源・燃料確保
・緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進
・医療施設、社会福祉施設、学校施設の耐震化
災害拠点病院(25年度100%)
・中小河川の豪雨対策(護岸整備と調整池整備)
・ドクターヘリを活用できる体制構築
基地病院は杏林大学医学部附属病院(21年度後半運航開始)
・多摩メディカルキャンパス整備事業
外来がん検査治療センター(25年4月開設予定)
難病医療センター(神経病院、29年4月開設予定)
道路・交通ネットワークが充実し、地域特性に応じた快適なまち
・優先整備路線の計画的整備
・連続立体交差事業推進
・リニア新駅(橋本駅付近)への道路ネットワーク強化
・外環道に関連する道路整備
・首都圏三環状道路の整備促進(圏央道 25年度100%)
・多摩都市モノレール延伸
箱根ヶ崎方面 事業化へ向けた現況調査、基本設計実施
町田方面 関係者と事業化について協議・調整
・中央線の複々線化
関係者と連携し、仕組みづくりを進める
・自転車シェアリングの普及促進
・自転車活用推進重点地区 先行地域に吉祥寺、三鷹、武蔵境を指定
・南大沢駅周辺地区を「スマート東京」先行実施エリアのうち「重点整備エリア」に
・南大沢地区で3Dデジタルマップを先行整備(都市のデジタルツインへ基盤構築)
地域資源と先端技術を活かし、スマートな産業が確立されたまち
・目を引くものは特になし。
豊かな自然と都市機能が調和し、環境にやさしいまち
・2025年度末までに下水処理水の高度処理能力の割合を9割に高める
・水素ステーション設備導入促進(具体的なものはない)
・燃料電池バス導入促進(具体的な台数の記載はない)
地域が持つ資源に磨きをかけ、人を惹きつけるまち
・武蔵野の森総合スポーツプラザ、周辺の公園を多摩地域のスポーツ拠点として形成
・東京2020大会のスポーツレガシーの活用
大会施設、コースの有効活用に向けた検討
パラスポーツ練習拠点の検討(東京スタジアムの屋内施設)
感想・まとめ
ピックアップしたものはごく一部。
で、やっぱり目がいってしまうのは交通とスポーツ。既知の内容しかなかったかな。
パブリックコメントでは「大学がなかったら多摩にはいかない」「若い人は多摩のことを知らない」など、厳しい意見も散見された。
また「都庁機能の一部を移転しては」という提案もあった。
んー、なかなか華のある内容にはなりにくいなあという印象を持った。