新型コロナに翻弄される2020年の年の瀬。先日NHKが20万本以上の論文の文字情報をAIで解析した番組を放送していたので簡単にまとめておく。少しでも安心して年越しできますように。放映は2020年11月(2020/12/27)。
ポイントは3つ
・新型コロナの本当の恐ろしさ
・「交差免疫」による死者数抑制とマスク着用による免疫獲得
・加湿の効果と波長222ナノメートルの紫外線の効果
新型コロナの恐ろしさ
・症状は100以上
注目の症状「ブレインフォグ(脳の霧)」
・新型コロナは肺にある「ACE2に突起」にくっついて感染する。
・「ACE2の突起」が脳の「脈絡叢(みゃくらくそう)」にも存在していることがわかってきた。脳の「脈絡叢」は脳に異物が侵入するのを防ぐバリアの役割。
・新型コロナが「脈絡叢」を破壊してしまうと、呼吸器症状が治っても倦怠感、思考力や集中力の低下が起きてしまう。
(脳の霧=頭にもやがかかったような症状が長く続く)
・通常の風邪のウイルスは呼吸器にしか感染しないが、「ACE2」は全身に存在するので、新型コロナは腎臓、心臓、血管などさまざまな場所に感染する
→100以上の全身症状を引き起こす(これが新型コロナの真の脅威)。
冬場の感染拡大は抑止できるのか
・「冬場」に関する350本以上の論文が存在。
キーワードをランクづけ
第3位 ビタミン。ビタミンDが免疫力を維持する
「冬場日照時間が短くなると体内でビタミンDが減り、感染拡大のリスクが高まる」
第2位 湿度
第1位 気温
「気温と湿度がウイルスの生存時間を左右する」
夏場 気温35度、湿度60%→2時間生存
秋口 気温24度、湿度20%→15時間生存
・単位は「LD50/時間」となっていた。
「死亡者数を抑える特別な要因」をAI解析
日本を含む東アジアの死亡率は欧米と比べて明らかに低いことから「死亡者数を抑える特別な要因」をAI解析で探った。日本の低い死亡率と関係がありそうな「交差免疫」がキーワードに浮上。
「交差免疫」
・過去に従来の風邪を引き起こすコロナウイルスに感染して、その情報を記憶した免疫細胞(T細胞)が、新型コロナにも有効に働く。これが「交差免疫」。
交差免疫効果を調べた論文
新型コロナで重症化した割合
季節性コロナに感染なし 28・1%
季節性コロナに感染あり 4・8%
交差免疫を持つ日本人の割合
75% 交差免疫あり
・日本人の交差免疫獲得にはコロナウイルスの仲間は東アジアで頻繁に流行していたことが影響か。
マスクを通した「微量感染」で多くの人が免疫を獲得する可能性
米病院での研究
新型コロナの軽症患者に特別な隔離をせず、病院のスタッフにどれだけ感染が広がるかを調べた。
・協力したスタッフ37人は全員マスク常時着用。
・3週間後に13人が感染したが12人は無症状
マスクなしだと無症状は20%にとどまる(従来調査)
マスクありの今回は92%、
・無症状者全員が新型コロナへの免疫力を獲得(一般的な抗体検査の基準の3倍の量を検出)。
・マスクをすると吸い込むウイルス量が減り、感染しても軽い症状で済むと考えられる=「微量な感染」で免疫細胞が抗体を少しだけ作れるようになる。
「微量感染」が繰り返されると、免疫細胞が訓練されて作り出せる抗体が増える。
→知らぬ間に免疫力を獲得。
マスクを通じた微量感染の繰り返しで免疫力が高められる可能性を研究者が指摘している。
感染予防について
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第5位 加湿器
・乾燥すると、粘液を使ったバリアである繊毛が動かなくなる。
湿度40%〜60%で繊毛の働きが一番よくなる
・空気中を漂うウイルスの対策に効く。湿度が高いと飛沫の水分が増えて落下しやすくなる。
咳で発生した飛沫に対する割合(1・8m先まで飛散する量)
湿度30%・・・6%弱
湿度60%・・・2%台半ば
第2位 紫外線
波長222ナノメートルの紫外線がコロナに効果的で、人には安全。
10秒当てるだけで9割無害化できる。
日本で実用化が始まっている。
第4位 蒸発
第3位 不活化
第1位 消毒技術