先日の江東区臨海部と同様、中央区のハザードマップを見る。臨海部を中心に(2020/08/28)。
3種類のハザードマップ
公表されているのは3種類
・洪水ハザードマップ(荒川堤防決壊)
・高潮浸水想定区域図(浸水深/浸水継続時間)
洪水ハザードマップ(2019年3月)=荒川堤防決壊
1000年に1度起こる大雨(3日間総雨量632ミリ)が降り、荒川の堤防が決壊した場合の浸水域と浸水深を示した図。浸水開始は決壊12時間後以降。
(中央区)
・月島地区(佃・月島、勝どき、豊海町、晴海)は影響なし。
・水害の恐れがある場合は頑丈な建物の3階以上に避難することを推奨。
洪水ハザードマップ(2015年3月)=内水氾濫
既存下水施設の処理能力を超える大雨が降った場合に浸水が予想される区域などを示したもの。想定する雨は2000年の東海豪雨(総雨量589ミリ、時間最大雨量114ミリ)
月島地区拡大=内水氾濫
(中央区)
参考:月島地域の標高
(国土地理院)
タワーマンションのある各エリアは浸水域からは外れているようだ。
勝どき駅の西側の一角が浸水域にかかっている。
内水氾濫の浸水想定図と標高が必ずしも一致していないのは興味深いところ。
広域図=内水氾濫
(中央区)
高潮ハザードマップ(2018年3月)
東京湾に高潮が発生した時の災害避難地図(想定し得る最大規模)
想定
・東京湾に最大の高潮を発生させる進路、時速73キロ
・1000〜5000年に1度の規模
・同時に計画規模の洪水発生
・波が海岸・河川の堤防を超える/破堤発生を想定
・市街地に溜まった水は自然排水か排水施設による河川への排水を想定
・排水施設浸水時、備蓄燃料がなくなった場合は排水不可能とする
浸水深
(東京都)
・原図となっているものが古い。晴海二丁目のティアロレジデンスとパークタワー晴海が存在せず、浸水深が1〜3mになっていたりして。
浸水継続時間
(東京都)
地図が古いので参考程度。晴海通りで浸水継続時間が1週間以上のところもあるようだ。標高図と一致する感じがする。
感想・まとめ
マップの題名の付け方から問題あり。どっちも洪水で、隅田川版と書かれてもよく分からない。江東区のようなタイトルが望ましい。
江東区臨海部同様、洪水と内水氾濫(大雨浸水)に対しては、自助の範囲で対策可能な範囲の浸水想定か。高潮想定は1000〜5000年に一度の発生確率なので、住まい選びの上では気にしなくていいだろう。
万が一、高潮浸水が発生すると都心部が1週間以上麻痺する可能性があるので、公助に大きな期待はできない。取れる対策は備蓄(自助)ということになるだろう。
参考