江東区が水害に関する3種類のハザードマップを公表しているので、江東区臨海部について内容を確認しておく(2020/08/24)。
3種類のハザードマップ
公表されているのはつぎの3種類
・洪水(荒川堤防決壊)
・大雨浸水(下水処理能力を超える降雨)
・高潮(想定最大規模)
洪水ハザードマップ(2016年5月)
・荒川の堤防が決壊した時の災害避難地図(想定し得る最大規模)
(江東区)
緑枠の部分は避難地区(地盤が高い/浸水しない/公園・広場がある)
臨海部は全域が「避難地区」(避難可能エリア)に指定されている。
大雨浸水ハザードマップ(2018年3月)
既存下水施設の処理能力を超える大雨が降った場合に浸水が予想される区域などを示したもの。想定する雨は2000年の東海豪雨(総雨量589ミリ、時間最大雨量114ミリ)
(江東区)
・豊洲
1丁目の一部は20ー50センチの浸水
2丁目、3丁目はほぼ浸水なし
4丁目に浸水が集中。運河に近い部分で最大1m程度の浸水
・東雲
1丁目 キャナルコートは浸水なし
2丁目 晴海通り東側は浸水なし、西側は一部あり。最大1m程度
高潮ハザードマップ(2018年3月)
東京湾に高潮が発生した時の災害避難地図(想定し得る最大規模)
想定
・東京湾に最大の高潮を発生させる進路、時速73キロ
・1000〜5000年に1度の規模
・同時に計画規模の洪水発生
・波が海岸・河川の堤防を超える/破堤発生を想定
・市街地に溜まった水は自然排水か排水施設による河川への排水を想定
・排水施設浸水時、備蓄燃料がなくなった場合は排水不可能とする
浸水深(広域)
浸水深(豊洲・東雲周辺拡大)
浸水継続時間(豊洲・東雲周辺拡大)
(江東区)
緑枠の部分は避難地区(避難可能エリア)=地盤が高い/浸水しない/公園・広場がある)に設定。
3mまでの浸水がかなり広い範囲で発生。避難地区の外では、豊洲2丁目のタワマン以外は浸水域にかかる可能性がある。
浸水継続時間は晴海通り周辺は12時間以内の場所が多いが3日未満まではあるようだ。この間は物流が麻痺するだろう。
感想・まとめ
江東区臨海部について洪水と内水氾濫(大雨浸水)に対しては、自助の範囲で対策可能な範囲の浸水想定か。高潮想定は1000〜5000年に一度の発生確率なので、住まい選びの上では気にしなくていいだろう。
これまでの認識通り、江東区臨海部は水害には強いエリアと考えていいだろう。
ただ、江東5区の広域避難計画が事実上頓挫し、そうした中で他地域の「避難先」に指定されていることがどういうことかを考えると「篭城の」準備は必要だと思う。
参考