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東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#485 景気動向調査資料を見る 「急速な悪化継続」、2020年4月 TDB

新型コロナウイルスの影響で一時全国に緊急事態宣言が発令されるなど、国内経済への悪影響が懸念されているが、気になるのは「どの程度」悪いのか、そして悪くなるのか。

 民間の信用調査会社、帝国データバンク(TDB)による「国内景気動向調査」の2020年4月調査分の表題は「国内景気、急速な悪化が継続」。このレポートの中で2021年4月までの景況感の予測が示された(2020/05/16)。

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(TDB)

調査概要

 景気DI

 企業による7段階(非常に良い=6、非常に悪い=0)評価をベースに算出。50より上なら景気は良い、下なら悪いことになる。

調査対象 2万3600社余り。約12000社が回答

調査事項 景況感(現在)と先行きに関する見通し、など

調査時期 2020年4月16〜30日(ネット調査)

結果(2020年4月) 25・8

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(TDB資料より、中の人作成)=予測の算出方法は末尾資料

①景気DI 25・8(前月比↓6・7ポイント)

      7ヶ月連続悪化、2ヶ月連続「過去最大の下落幅」

      過去3か月でDIは16・1ポイント下落

 ・経済収縮の中、企業活動が制約され急速な悪化続いた

 ・今後は新型コロナの収束など不確実性が強く景気後退が続く見込み

②10業界全てと、51業種中48業種で悪化

 「建設」「製造」「卸売」の3業界=下落幅過去最大

 「輸送用機械・器具製造」など14業種=下落幅過去最大

 14業種で景気DIが過去最低

③全国10地域のすべて、47都道府県で悪化

 24都府県で過去最低を更新

 「大企業」「中小企業」「小規模企業」がそろって7ヶ月連続の悪化

今後の見通し=景気後退続く見込み

・新型コロナの収束状況が先行きを左右

・国際経済は世界大恐慌以来の落ち込みが予測される

・企業業績悪化による雇用、所得環境の不安定化は景気の重しに

・政府の経済対策、日銀の金融緩和の強化や、生産の国内回帰などはプラス材料か

業界別より

「サービス」 25・8(前月 35・3)

  3ヶ月連続悪化 20台は2011年4月以来

「小売」   21・2(前月 26・7)

  3ヶ月連続悪化 過去最低の2009年2月に次ぐ低水準

「建設」   33・9(前月 41・5)

  5ヶ月連続悪化 過去最大の下落幅

  10業界で唯一30台。2012年1月以来の低水準

 

「不動産」  21・9(前月 31・6)

「金融」   27・3(前月 33・3)

地域別より

南関東」 26・3(前月 34・1)

  3ヶ月連続悪化、一都三県すべてで過去最大の下落幅

  東京、埼玉が特に大きく落ち込んだ

 「飲食店」を含む「サービス」が大幅に下落

感想・まとめ

 景況感は空前の悪化局面にあるということになる。50で景況感がトントンというインデックスで20そこそこというのは「見たことがない」低水準。TDBの景気予測DIの底は2020年秋〜冬の17ポイント台。実際にはこれがコロナ禍の「第2波」になるのかも。

 景気(予測)DIのグラフを見ると2021年夏も20ポイント前後にとどまりそうで、景況感がきわめてが厳しい状況での東京オリンピック開催になるのかもしれない。

参考

www.tdb.co.jp