政府の新型コロナ感染症対策専門家会議が最新の状況分析を公表し提言を行った。内容を確認しておく(2020/04/02)。
提言は4月1日付。
・感染者は都市部の急増が際立っている
・クラスター(感染者集団)は年齢層を問わず。都市部で次々と発生
・爆発的患者急増は現時点ではみられていない
・爆発的患者急増の前に医療現場の過負荷で機能不全も
・東京など感染拡大警戒地域では、医療提供体制確保に向け抜本的対策必要。学校の一斉臨時休校も選択肢
・「3つの密」を徹底的に避ける
・密が1つでもあれば、手洗いなど基本的感染症対策を徹底する
状況分析
新規感染者数
2020年3月26日 初めて100人/日を超えた
累積感染者数
(専門家会議)
2020年3月31日 2000人を超えた
・都市部を中心に感染者数が急激に増加
3/16〜22(上)の報告数
3/23〜29(下)の報告数
(専門家会議)
※都市部の急増が際立っている。
参考:東京都の区市町村別感染者数(3月31日時点の累計値)
(東京都)
実効再生産数
=感染症の流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した2次感染者数の平均値
東京と東京近郊の実効再生産数
(専門家会議)
国内全体の実効再生産数
2020年3月15日 1を超える
2020年3月21〜30日 1・7
海外からの移入が疑われる感染者
2020年3月上旬 全陽性者に占める割合 数%
2020年3月11日ごろ〜 顕著に増加
2020年3月22〜23日 4割程度
直近 やや減少
クラスター
(専門家会議)
・最近は若年層だけでなく、中高年層もクラスター発生の原因に
・病院内感染、高齢者・福祉施設内感染、海外への卒業旅行、夜の会合の場、合唱・ダンスサークルなど
爆発的患者急増(オーバーシュート)
:2〜3日で累積患者数が倍増、それが継続するもの
現時点では見られていない。
都市部を中心にクラスターが次々に報告
→医療供給体制が逼迫しつつある地域が出てきている。医療供給体制強化が喫緊の課題
医療崩壊
爆発的感染が起こるまでに医療供給体制の限度を超える負担がかかり医療現場が機能不全に陥ることが予想される
地域区分の考え方
①感染拡大警戒地域
直近1週間の新規感染者数、リンクなしの感染者数が、その1週間前と比較して大幅な増加が確認されているが、爆発的患者急増には至っていない
重症者を優先する医療提供体制の構築を図ってもなお、医療提供体制の容量などの観点から近い将来、切迫性が高い状況.またはその恐れが高まっている状況
想定される対応
・「3つの密」を避けるための行動変容をより強く徹底する必要がある。
・地域内の学校の一斉臨時休校も選択肢として検討すべき
・自治体トップによる行動制限メッセージ発信
例)期間を明確にした外出自粛要請
地域レベルでも10人以上が集まる集会、イベントへの参加を避ける
家族以外の多人数での会食をしない
②感染確認地域
直近1週間の新規感染者数、リンクなしの感染者数が、その1週間前と比較して一定程度の増加にとどまっている。帰国者・接触者外来の受信者数があまり増加していない
想定される対応
・人の集まるイベント、「3つの密」を徹底的に回避
・感染拡大リスクの低い活動は実施する
屋内で50人以上が集まる集会・イベントへの参加を避ける
③感染未確認地域
直近1週間に感染者が確認されていない地域(海外帰国の輸入例は除く)
想定される対応
・屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用、参加者が特定された地域イベントは適切な対策を講じた上で、リスク判断を実施し、感染拡大リスクの低い活動は注意しながら実施
・「3つの密」を徹底的に回避する
市民の取り組みの徹底
・「3つの密」を避ける
→自身の感染リスクを下げる+多くの人の重症化を食い止め、命を救うことになる
・人混み、近距離での会話、特に大きな声を出す、歌うことを避ける
・「3つの密」が重なる夜の街では
夜間から早朝にかけて営業するバー、ナイトクラブなど接客を伴う飲食店業への出入りを控える
カラオケ,ライブハウスへの出入りを控える
呼気が激しくなる室内運動の場面で集団感染が発生していることを踏まえた対応をする
「密」が1つでもある場合は、普段以上に手洗い、咳エチケットなど基本的感染症対策の徹底に留意
自らの受診行動について
どこに連絡し、どのような交通手段で病院に行けばいいのか、自分が患者になった場合にどう行動すべきか事前に調べて理解しておく
地域の医療提供体制確保について
東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫は切迫。直ちに抜本的対策必要
軽症者には自宅療養以外に施設での宿泊の選択肢を用意すべき