2020年度中央区予算案が公表された。主な事業の中でも6つの注目事業に絞って確認しておく(2020/02/07)。
(中央区)
2020年度予算案概要
総額 1433億0546万円(+12・4%)
一般会計 1183億7461万円(+14・8%)
注目事業① 築地の活気とにぎわいの継承・発展に向けたまちづくり
予算額 1500万円
内容 交通結節機能などの検討
首都高晴海線の築地周辺におけるランプ設置
首都高晴海線付近に位置する公共施設の再編
注目事業② 地下鉄新線検討調査
(中央区)
予算額 1045万円
内容 2019年度の調査で整理を行っている近年の開発動向を踏まえ、最新の輸送需要を推計、収支採算性の検討と費用便益分析などを進め、新たな課題の抽出を行う
注目事業③ 晴海おもてなし拠点(仮称)の運営およびコミュニティライブサイトの実施
晴海おもてなし拠点(仮称)
(中央区)
予算額 6012万8千円
設置期間 2020年7月上旬~9月上旬
場所 トリトンスクエア2階グランドロビー
内容
インフォメーションカウンターの設置
ステーイベントほか(オリ、パラ期間に各2日間実施)
コミュニティライブサイト
予算額 959万円
設置期間 2020年7月22日~8月9日、8月25日~9月6日
場所 トリトンスクエア2階グランドロビー
内容
開会式、閉会式や競技の中継
競技体験コーナーなどの設置(オリ、パラ期間に各2日間実施)
注目事業④銀座地区外周の緑のプロムナード化に向けた検討調査
(中の人作成)
(中央区)
予算額 500万円
検討範囲 都市高速8号線上部と周辺
検討内容
プロムナード化に向けた課題抽出
空間形成コンセプトの検討
機能配置とゾーニングイメージの検討
築地川アメニティ整備構想、首都高日本橋区間地下化との連携に向けた検討
注目事業⑤ 首都高速道路地下化等都市基盤整備基金創設
原資
日本橋川沿いで実施される再開発事業の協力金、区道の改廃に伴う補償金
注目事業⑥ 朝潮運河護岸上部の整備
周辺の景観や自然環境との調和に配慮した親水性のある水辺を整備
予算額 2066万円
場所 晴海1丁目1~2先・晴海5丁目1番先
注目事業⑦ 中央清掃工場の余熱利用設備の整備
中央清掃工場の余熱を隣接する「ほっとプラザはるみ」と新設小中学校に供給。
予算額 1430万円
スケジュール
2020年度 実施設計
2023年度 余熱利用開始
その他
コミュニティサイクル増車 300台(予算 5280万円)
市街地再開発助成金 月島3丁目南地区、北地区のタワーマンションに計6億円。ミッドタワーグランドには23億円、PT勝どきには21億円余。豊海町のは6000万円ぐらい。
感想・まとめ
新設される晴海小中学校には清掃工場の余熱が使われるのかー。
コミュニティサイクルも300台も増えるのかー。
朝潮運河護岸の工事も進むなあー。
まあ、いいんじゃないでしょうか。
まあ、そんな感じ。
臨海地下鉄新線ルート絞り込みについて
下図は地下鉄新線建設推進協議会の場で示されたもの。地下鉄新線のルートは水色の点線で描かれている。3駅の位置がピンポイントで示され、さらに東京駅は八重洲口側に伸びるルートも明示されている(新銀座駅は道路からやや外れているのでやや疑問)。
(中央区)
現時点で地下鉄新線のルートが絞り込まれた可能性が高いとしたのは、2020年度予算案の注目事業①「首都高晴海線の築地周辺におけるランプ設置」の存在。
中央区議会は晴海線Ⅱ期(晴海〜築地)について、全会一致で反対決議をしていたので、「あれ?」と思った。この事業が予算化されるということは、決議に反するのではないか。
築地ランプは都市計画道路としては、首都高・晴海線Ⅱ期(晴海〜築地)に含まれるものだろうが、計画に変更がない場合、地下鉄新線が晴海通りを通るルートの建設計画とは両立しない。
大規模オフィスであるトリトンスクエアの存在を考えると、ルートは晴海通り直下がベストだと思うが、晴海線Ⅱ期が晴海通り直下を延伸する東京都や首都高(株)の方針が変わる見通しが立たず、今回、築地ランプの設置を踏まえた予算案となったことを見ると、中央区は晴海通り直下を通す標準深度案と大深度案を断念したのではないか。
(参考)東京都の国への晴海線Ⅱ期整備の提案要求は維持され続けている
(国の予算編成に対する東京都の提案要求)=2020年度版より
地下鉄新線はどのルートを通すにしても、地下30m前後・以深になりそうな気がしている。事業化に向けてはスピード重視でいいと思う。今後は晴海通りと環2の間を通すAルートで検討の深度化が進められると思う。dorattara.hatenablog.com