東京都の調停案が不服だとして、江東区と大田区が中央防波堤埋立地の帰属を争った裁判の1審判決が東京地裁で言い渡され、江東区79・3%(都調停案段階86・2%)、大田区20・7%(都調停案段階13・8%)とする判断が示された。江東区は東京都の調停案からさらに35ヘクタールを失った計算(2019/09/20)。
(東京都)
第1審判決(2019年9月20日、東京地裁)
分割比率で単純に計算すると・・・
江東区 398・3ヘクタール(調停段階 433・9ヘクタール)
大田区 104・1ヘクタール(調停段階 69・3ヘクタール)
(東京都)=一部加筆
江東区のコメント
「意外な判決で大きな驚き」
「調停案と異なり、海の森水上競技場が全て江東区の帰属に」
「歴史的経緯は評価されていない」
「議会と相談しながら」
大田区のコメント
「今後判決内容を十分に精査する」
東京都の調停案(2017年10月16日)
江東区 433・9ヘクタール(等距離線分割では449・2ヘクタール)
大田区 69・3ヘクタール(等距離線分割では54・0ヘクタール)
(東京都)
感想・まとめ
江東区は調停案から35ヘクタールを失った。海の森水上競技場全域は江東区側になったとはいえ、等距離線分割案からは51ヘクタールも失ったことになる。
大田区にとって大きいのは、外側埋立地側の境界をかなり江東区側から奪えたことだろうか。等距離線分割で将来の境界確定をする場合、非常に重要な部分となるだろう。
③現行水際線による等距離線が先例として確立すると、今後の新海面処分場の問題に影響する。将来の新海面処分場の帰属決定の際、さらに江東区の区域が広がることになる。過去から埋立地の編入を繰り返し、次第に水際線を沖合に展開してきた自治体のみが区域を拡大し続けることは不合理
判決について江東区、大田区とも公式には「対応を検討する」というスタンスだが、江東区長からは「訴訟費用は区民のお金。大人の対応も」という発言も出ているようなので、このまま決着する可能性がある。
まあ、それがいいと思う。
参考