東京2020大会期間の首都高速利用料金が1000円上乗せされることになった。(2019/08/27)。
これが「サーチャージ」の影響範囲。
(東京都)
付加料金加算に至る経緯
東京2020大会期間中の円滑な大会輸送と経済活動、市民活動の両立のために、交通対策を検討。
①交通需要マネジメント(TDM)=全体の交通量を減らす
②交通システムマネジメント(TSM)=高速への流入調整
③公共交通輸送マネジメント=時差出勤などのピークシフト
2019年2月 第4回交通輸送技術検討会
・TDMのみでは首都高の交通量が減りにくい傾向
・大会期間中は大会関係車両や物流車両など派生需要が増加。例年同時期よりも多くの交通が見込まれる
・TDMの効果を東京2020大会期間(オリ・パラ)の30日間継続させる必要がある
2019年7月 一般交通対象にTDM/TSMテストを実施
【大規模交通規制】通勤ラッシュ時の国道246号 交通量は去年の1・7倍。
— どらったら! (@Chuoinfom) July 24, 2019
晴海→新国立 30分(普段は40分):効果あり
※環2が本格開通していたら10分だけどなー
◎東京オリンピックに向けた交通規制実験の成果は? - FNNプライムオンライン https://t.co/9bt3zzUolz #FNN pic.twitter.com/j3imIgm88H
2019年8月 第6回交通輸送技術検討会
テストの検証結果
・一般で4%減少、首都高はTDMのみだと平日は0・4%減少にとどまる。
・TSMを効果的に機能させるには十分な交通量減少が必要
・大会期間中は、大会関係車両・波及交通が増加見込み
・TSMを高強度で継続した場合の影響懸念
→TSMによるさらなる交通量低減と追加対策が必要
追加対策案
①通行車両制限→否定的
・ナンバープレート規制=例:ナンバープレートの末尾番号が偶数は偶数日、奇数は奇数日のみ通行可能にする
・HOVレーン(HIGH OCCUPANCY VIECLE)=複数人数が乗車する車両の専用レーン設置
→首都高の構造上の問題で否定的(必要な車線確保ができないなど:下図)
②料金施策
対象期間(2019年)
7月20日〜8月10日/8月25日〜9月6日
(東京都)
・ETC搭載車
0600ー2200 一律+1000円:マイカーなどが対象
→昼間に一般道から高速への転換抑制
0000ー0400 通常料金の半額:全車種対象
→夜間割引による交通シフト促進
・ETC非搭載車
0600ー2200 一律+1000円
(夜間割引なし)
感想・まとめ
2020大会での首都高の交通量抑制は絶対に必要。
TDMによって全体のトリップを削減しても、高速道路、特に首都高では交通量の削減効果が低い。
オリンピックの選手等の関係者の輸送は、首都高をメイン、首都高で渋滞が絶対にないようにするという必要。仮に、首都高の交通量が十分に抑制できない、TDMにより抑制できないということになると、首都高において、入路閉鎖等のTSMを発動する規模が大きくなり、その発動時間も長くなる。その結果、一般交通は首都高から締め出されるということになると、今度は一般道路が大渋滞しかねない。
(警察庁交通局長、2018年11月)
それにしても選手村から新国立まで10分で着くとアピールしていたのに30分もバスに乗せるなんて、オリンピアン、パラリンピアンの皆さんに申し訳ないわ。