どらったら!!

東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。最近はゲリラ的な花火大会情報も提供。

#222 中央清掃工場の移転についての話題、少し調べてみた 

 「中央区晴海5の中央清掃工場が晴海2の都有地に移転すると、ハルミフラッグの販売員が話していたらしい」という話題が少し盛り上がっていて、関連ツイートをした。

 

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東京二十三区清掃一部事務組合)=中央清掃工場

 

ネタもないので久しぶりにこのテーマに触れておく。

 

直近の「一般廃棄物処理基本計画」改定の状況

 東京23区のゴミ処理を担う「東京二十三区清掃一般事務組合」は、概ね5年おきに法律に基づき23区内の一般廃棄物の中間処理について定める「一般廃棄物処理基本計画」を改定している。

 

 前回改定は2015年で、次回改定の2020年に向けた検討作業がすでに始まっている。改定にあたっての中間報告はすでに終了していて、近く基本計画の原案が公表される段階(2019年8月)。

 

基本的考え方

計画期間 2020年〜2035年(15年間)、概ね5年ごとに改定する。

改定について 現行計画の施策の体系や取り組みを参考に、

①ごみ量

②施設整備計画

③最終処分量

を検討。

 

②については、

 「安定的かつ効率的な処理を基本としつつ、財政負担の平準化について配慮する。施設規模のアンバランスの解消を検討する」

東京2020大会開催に伴う計画における整備スケジュールの変更(2018年1月)

確定事項

・中央清掃工場の稼働停止(オリ・パラ期間の6ヶ月)

・光が丘清掃工場のシエビ工事期間(竣工時期は3・5ヶ月遅れ、2020年度末)

・目黒清掃工場の整備工事期間(竣工時期は10・5ヶ月遅れ、2022年度末)

 

今後の対応事項

・江戸川清掃工場の整備工事開始時期の変更

(中央清掃工場の稼働停止期間終了後。竣工は2027年度に変更)

・港清掃工場の延命化工事の変更

(内容変更)

・北清掃工場の整備工事開始時期の変更

(2022年度当初→年度後半)

 

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(一部事務組合)

 

清掃工場の整備計画の立て方

・安定的な全量焼却の体制確保が前提

・予測ごみ量から計画期間内の処理量など算出

→基本事項として、整備対象施設、年間焼却能力、必要な焼却余力、計画耐用年数などを設定。施設の現況や整備工事の平準化、収集・運搬効率性を踏まえて施設整備計画を策定する。

 

整備対象施設

次期基本計画の整備対象となるのは計画期間内の稼働年数が25年を超えるもの

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(一部事務組合)

 中央清掃工場が稼働から25年を超えるのは8年後の2027年。28年と29年に延命化を実施するので、スケジュール通りなら建て替えは2042年以降。ただ、6年区切りで建て替え2箇所、延命化1箇所の現行の整備速度では更新が間に合わない。

 

現行計画で建て替えや延命化に着手している施設は計画通り実施。

 

焼却余力

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(一部事務組合)

 焼却余力は安定的な中間処理体制のため最低12%と設定。

 現行の施設整備計画と改定にあたって整理した事項を反映させると2023年度以降、2034年度までは12%を下回る状況が続く。

 6年で建て替え2工場、延命化1炉が基本。

※いかなる清掃工場の移転も検討された様子は皆無。

 

計画耐用年数

 25〜30年

 40年(延命化工事実施の場合)

 

建て替え工事に伴う準備

5年前 建て替え計画策定、環境アセス計画書作成

4年前〜3年前 現況調査、環境アセス評価書案作成

2年前 住民説明会 環境アセス評価書の作成、契約手続き入り

着工年度 建て替え工事、環境アセス事後調査(工事中)

竣工後1年間 環境アセス事後調査(稼働中)

 

参考:煙突からの物質の飛散について

こんな図があった。色々な計算モデルがあって、これは風がある程度あるときに用いられる「プルーム式」と呼ばれるもの。

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電力中央研究所

電中研レビュー38号目次 (電力中央研究所)

 

で、東京地方の風の向きは通年でこんな感じ。

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東京管区気象台:風配図(東京)

この図を見る限り、清掃工場の東西に位置している場合はほとんど気にしないでいい。

南北に位置している場合は、気になる人がいるかも。まあ影響はないだろう。

参考:江戸川清掃工場の場合

建替計画の策定から環境影響評価(アセスメント)、建設、稼働の期間は

1年間 建替計画策定、環境影響評価手続き開始

5年目 工事着手

11年目 竣工(稼働?)

12年目 環境影響評価手続き終了

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(江戸川清掃工場建替計画より)

感想・まとめ

 現在の焼却余力で一定期間にできる整備速度には限界(6年区切りで建て替え2箇所まで)があり、改定計画でも稼働年数を踏まえたガッチガチの整備(延命化と建て替え)のスケジュールが組まれることになるだろう。ただ、同時期に稼働を開始した工場があるので、整備前倒しはありそう。

 移転はないんじゃないかな。検討された様子がまったくないし。

 あと参考にも示したけど、清掃工場からある程度離れた南北側に位置していなければ、あまり気にしなくていいんじゃないかな。

 

参考

中央清掃工場の概要

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(一部事務組合)

 

発電出力 1・5万キロワット。

www.union.tokyo23-seisou.lg.jp

大気中における汚染物質濃度の推定(舞鶴大学)