東京都が久しぶりの舟運社会実験を行う。中央区日本橋と晴海を結ぶ区間で朝に15分間隔で船を運行する内容(2019/06/22)。
小池知事によると、東京2020大会の観客輸送や、大会後の通勤などに使えるかどうか可能性を探るというのが趣旨らしい。
(東京都)
概要
運航日
2019年7月24〜26、29〜31、8月1、2日(計8日間)
運行時間
0730から15分間隔、最終は0900(1日あたり各7便)
※欠航について
運行前日に決定した場合は前日18時以降
運行当日に決定した場合は当日07時以降
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ルート
(東京都)
乗船定員 各便40人(要予約)
料金 無料
乗り場
①朝潮運河船着場
(中の人撮影)
②日本橋船着場
(東京都)
参考:予約状況(22日10時現在)
空席表示ばかり。以前の社会実験と比較しても出足は悪い印象。
感想・まとめ
舛添知事時代には「水の都・東京」というキーワードとともに、舟運実験を立て続けに行い、舟運の認知に本気なんだなと思ったこともあったが、前任者の積み上げたものはすでに失われている。今は舟運といえば水上バス、という程度の以前の水準に戻ってしまっていると思う。
この区間の所要時間は船だと30〜40分で、バスや地下鉄など、他の公共交通機関よりも長くかかるようだ。料金は電車で移動した場合は269円、バスの場合は206円。東京都の担当者は実際に導入するとこれらより高くなると話しているようだ。
田町.晴海、天王寺間を結ぶ「TOKYO WATER TAXI」の場合、最短1区間500円。こちらも平日半減となった。
さらに1便あたりの輸送力はわずか40人。都営バス1便の半分程度に過ぎない。こうなると事前予約は必須。東京都も輸送力の小さな船で運航するとなると、割高になる可能性があることを認めている。
料金を無料にしたのは、有料では誰も乗らないだろうということだろう。
朝の忙しい通勤時間帯に、30分早く起きて出発の10分前には船着場に並び、会社に着くのは同じ時間。朝はゆったりというより、逆に忙しくなるのではないかな。
この時期の舟運実験なら、夏の五輪テスト大会に合わせた本格輸送テストとするべきだったと思うのだが。周知が足りないまま中途半端に「そんなのがあったんだ」で終わりそうな感じがする。