臨海地域地下鉄構想との一体整備が提案されているつくばエクスプレス(TX)が、1編成を現在の6両から8両にする事業を2019年度から開始することを決めた(2019/06/02)。
背景
沿線人口は2030年代まで増加を続け、さらなる利用者の増加が見込まれる。
将来、朝のラッシュ時間帯の混雑と遅延の常態化が見込まれるため、抜本的な対策として「8両編成化事業」を実施する
参考:沿線11市区の人口の推移(2011〜17年)
事業概要
①設備工事 事業費約360億円
各駅のホーム延伸
車両留置線延伸(6両分の120m→8両分の160mに延伸)
変電所増強、総合基地内設備の増設・新設ほか
※工事工程の例(秋葉原駅)
・準備工 1〜 5ヶ月
・土木工事 6〜11ヶ月
・建築機械工 8、10〜19ヶ月
・電気工事 10〜19ヶ月、供用開始前 10ヶ月間に実施
・ホームドア設置 供用開始前 10ヶ月間に実施
②8両編成化に必要な車両調達 事業費未定
事業期間
10年以上(2030年代前半にサービス開始予定)
事業効果
1編成あたりの輸送力 30%程度増加
朝ラッシュ時の混雑率
2018年度 168%
2020年度に155%程度見込み
将来 人口増加を見込んでも150%を下回る程度に
感想・まとめ
これで臨海地域地下鉄構想も8両化確定か。構想からまずは抜け出さないと。
(国土交通省)
今回は8両編成化と合わせて、2018年度営業実績も発表されている。
概要は次の通り。
営業収益 463億円(20年度目標 484億円=中計)
営業費用 383億円
営業利益 80億円(20年度目標 105億円=中計)
経常利益 60億円(20年度目標 77億円=中計)
純利益 40億円
長期未払金 5352億円(17年度比202億円減少)
純利益は2017年度の61億円から18年度は60億円に減少している。
鉄道・運輸機構債務残高は 5000億円以上残っていて、年間200〜300億円のペースで減らしているようだ。
これをみると、臨海地下鉄構想に手を出せるほどの余力があるのかどうか、という気もする。
参考
東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申)(国土交通省)