dorattara! Season4

東京都中央区、江東区の臨海部を中心としたメモ。独自の情報を除いては、報道ベースではなく、発表主体の情報をベースに書くことを基本にしています。

#149 大型車の環状機能確保では別線整備案有力か 首都高日本橋地下化関連、第2回検討会

 日本橋上空の首都高を地下化する「首都高日本橋地下化検討会」のまとめを受け、残る課題となっていた「大型車の環状機能確保」に関する第2回検討会が2019年5月27日に開かれた(2019/05/28)。

 

 日本橋地下化に当たって、大型車両の環状機能確保案の2案が示されていて、「KK線の構造強化案」は、構造強化に伴う周辺建物への影響のほかコリドー街のテナントの一時移転(類似例で10年)などが必要なため否定的で、「KK線の地下に別線を整備する案」は課題もあるが可能という感じになっていた。

 

 

前置き:首都高日本橋地下化検討会(すでに終了)

首都高日本橋区間地下化の対象区間

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国土交通省

 

検討会の流れ

 検討会では事業費約3200億円の分担などがまとまり、日本橋区間地下化に伴い、大型車の環状機能をどう確保するかが課題として残されていた。

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第1回検討会(2018年12月)

日本橋区間地下化の際、都心環状線の大型車通行を確保するため、

・KK線の構造強化/KK線の地下に別線整備についての検討を実施。

 

dorattara.hatenablog.com

第2回検討会(2019年5月)

・KK線の構造強化/KK線の地下に別線整備についての検討を深化。

 

2案について検討を深化

東京高速道路(KK線)の構造強化

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国土交通省検討会)

 

大型車通行増加による課題

 KK線の交通量は、首都高日本橋地下化の江戸橋JCT見直しにより、八重洲線を介して、1日約8千台の増加(大型車は約2千台増加)

  大型車がKK線を通行することになった場合、舗装やジョイントなどの補修の頻度が増加し、維持補修に係る費用も増加

 

構造強化による課題

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国土交通省検討会)

 

 KK線の全線で大型車の通行を可能とするには、耐荷重(25t)確保のための構造の補強(床版補強、桁補強)が必要

 KK線の下に入居しているテナントの入込客数は1日約10万人と見込まれ、補強工事中のテナント(約360店舗)への影響が課題

 構造強化に要する費用に加え、構造強化完了後の維持補修費用の増加や工事中のテナントからの収入の減少が課題

 

拡幅による課題

 KK線のJR並走区間の直線部で大型車の通行を可能とするためには、道路構造令を満たした幅員の確保(路肩、中央帯の拡幅)が必要。

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国土交通省検討会)

  これに伴い、KK線の拡幅部を支える橋脚が商業施設前面の歩道上に新設され、歩道の有効幅員が減少するなど、銀座地区の活気と賑わいに不可欠な歩行者空間への影響が生じる。街路の現況機能を確保するためには、用地取得や堅牢建物の除却が必要

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国土交通省検討会)

 

 街路の歩道上に橋脚を新設せずにKK線の拡幅と構造強化を行うためには、KK線と一体構造の建物も含めた全面的な造り替えが想定される

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国土交通省検討会)

 

 KK線を造り替える場合には相当の年数が必要と想定され、その間テナント約160店舗は一時的な退去が必要(サンプル例では10年)

 

検討まとめ

 「大型車交通の増加や構造強化に伴うテナントへの影響」+「連続した商業空間の形成や安全で快適な歩行者空間の確保など、銀座地区の活気と賑わいへの影響」が大きな課題

 

②別線整備(地下)に向けた導入空間の検討

ルート案の考え方

八重洲線と都心環状線を最短ルートでつなぐ/既設の八重洲線を最大限活用・外堀通りやKK線の下の空間を利用

 

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国土交通省検討会) 

検討内容

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国土交通省検討会)

 JR、地下鉄、各種インフラ施設の埋設位置の把握と導入空間の検討

 JR、地下鉄、各種インフラ施設と近接、干渉する場合の影響・移設検討

 都市再生プロジェクトとの連携

 都市高速道路晴海線、大規模更新事業(築地川区間)の計画との整合

 

導入空間の検討

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国土交通省検討会)

 

検討まとめ

 既設八重洲線を活用しつつ、KK線の下を通過させることで、都心環状線に接続する最短ルートの導入空間を確保することが可能

 地下埋設物と近接、干渉する場合の影響・移設、及び、大規模更新事業(築地川区間)等の計画との整合については引き続き検討

 

感想・まとめ

 東京高速道路(KK線)の構造強化案は課題が大きすぎて終了。別線整備(地下)案を中心にさらなる検討が進むだろう。

 

 この場合、前回の検討会では八重洲線とKK線の交差部でお互いの構造が干渉する(物理的に難しい)となっていたが、どうやら既存の八重洲線の活用で回避する案が示されたようだ。資料からはよくわからない。

 検討会はもう一回ぐらいありそうだが、結論は「別線(地下)整備案が可能」ぐらいで終わるんじゃないかな。

 

 あとは、地下鉄構想に絡む首都高晴海線計画に若干触れていることに注目。

 地下鉄ほどの輸送力がある公共交通機関は、需要が朝夕に限られる住宅地よりのルートでは生かし切れず、終日需要が見込めるオフィス側(トリトン近接ルート)を通すべきで、採算面の厳しさが指摘される臨海地下鉄構想はその意味でも晴海通り直下がベストなのだが、ルートが競合する首都高晴海線の延伸計画の廃止か変更がないと実現は難しい。今回の検討会で触れられたということは、当面廃止はないという状況なのだろう。

 

 晴海3丁目の開発計画などをみると、晴海通り直下を通すのは厳しい印象を受ける。晴海3丁目交差点付近に地下鉄駅を持ってこれれば、晴海2丁目都有地(BRTターミナル)が活きてくるのにねえ。

 

 もう少し具体的に書くと、晴海3丁目の三菱地所オフィスビルに設けられる新設デッキは、将来の地下鉄駅利用者の晴海トリトンへの主要動線とすることを想定している可能性が高いと思う。

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参考

www.mlit.go.jp