高田馬場駅東口の再開発構想について、建設通信新聞(2019/05/17)が報じている。記事中に記載のある「まちづくり構想案」をみてみた(2019/05/19)。
概要
2016年3月 高田馬場駅周辺地区まちづくり協議会設立
2018年12月 「高田馬場駅周辺地区まちづくり構想案」とりまとめ
まちづくり協議会 9回開催(2016年7月〜2018年12月)
まちづくり構想案を取りまとめて終了。
まちづくり構想案
(新宿区)
地区内の歩行者増加など周辺環境の変化/高田馬場駅周辺が更新時期を迎えていることなどを契機に、まちづくりの方向性を定める「まちづくり構想案」策定へ。
検討区域
(新宿区)
・約6ヘクタール
現状と課題
(新宿区)
駅舎・駅前広場
・JR山手線と西武新宿線の高田馬場駅は利用者数に対し十分なホーム幅がない
・メトロ東西線への乗り換え動線は1箇所に集中し混雑している。
・バリアフリー動線は駅舎街に出て駅前広場を通るルート。車椅子利用者に不便。
・駅前広場が手狭で使いにくい。
道路・交通
・駅前通りの歩道の福音が2・8メートルと狭く歩行者量に対し十分ではない
・地区内の道路で安全な歩行空間が確保されていない
・バス停留所が分散して立地
街並み
・建物の壁面が不揃い/連続性のないセットバックの利用
地形・防災・みどり
・地区内の標高差は約11メートル(最高点27・4メートル/最低点16・3メートル)
・旧耐震の老朽化建築物が多い
・みどりが少ない
まちづくりビジョン(2つのエリアと3つのストリート)
分野別まちづくりの方向性
(新宿区)
テーマ1 駅舎・駅前広場
①安全な駅舎整備
駅舎改造によるホーム幅員確保/利用しやすいバリアフリー経路確保/戸山口再整備による明るくゆとりあるサブエントランス
(新宿区)
②駅とまちつなぐ機能強化
地下広場の整備による乗り換え動線多様化/新たな改札口と東西デッキ設置ほか
(新宿区)
③十分な広さの駅前広場確保
交通広場と駅前ビルの立体的配置
④多文化交流拠点・高田馬場のシンボル広場づくり
歩車分離による安全な「人のための広場」づくりほか
(新宿区)
テーマ2 道路・交通
①歩きやすい歩行空間
歩道拡幅、沿道建物の壁面後退による歩行空間の確保
デッキ/地下通路による高低差解消と回遊性向上
ほか
②人が主役の交通ネットワーク
交通広場整備による交通動線の整理
駐車場や荷捌きの地域ルール活用した自動車交通抑制
③快適な自転車の利用環境
自転車走行スペースの在り方検討/再開発に合わせた駐輪場整備
テーマ3 街並み
①メリハリのある街並み形成
②低層部分の賑わい創出
③屋外広告物を活用した賑わい創出
④周辺と調和した街並み形成
テーマ4 防災
①災害に強い建物づくり
②帰宅困難者受け入れ対策
③住民と企業の連携
テーマ5 環境・みどり
①個人でできる環境活動継続
②地域が一体となった環境への取り組み
テーマ6 町を育てる仕組み
①まちを育てる体制づくり
②まちを育てる活動
感想・まとめ
このまちづくり構想案、地域の課題と方向性を把握するのにはとても役に立つ。
実際にどう実現に結びつけていくのかを考えると、相当大変だと思うが。
今後の動きに注目したい。