中央区の緑地保全や推進に関する方針を定めた 「緑の基本計画」(2009年3月)が改定された。計画期間は2019年度〜2028年度の10年間(2019/05/12)。
(中央区)
概要
「緑の基本計画」の位置付け
都市緑地法に基づくもの。緑地保全、緑化推進に関する目標・施策、都市公園整備や管理方針を定める
計画期間
2019年度〜2028年度
現況
(中央区)
緑被率 10・7%
区域面積に対する緑被地の面積の割合
みどり率 26・5%
緑被率に水面が占める割合と公園内の緑で覆われていない面積の割合を加えたもの
屋上緑化面積 8・3ヘクタール
一人当たり公園面積 3・82㎡(2017年度)
環境の変化
・築地市場移転
・東京2020大会開催
・日本橋川の再生と景観整備
・銀座と築地を繋ぐ都市空間の創出
・人口の増加傾向
2019年 162000人→2029年 218000人(見込み)
課題
・緑の量を増やす
・区民一人当たりの公園・緑地の十分な確保
・大規模開発を活用した緑、オープンスペース確保
・歴史性、地域性を踏まえた水辺の緑化整備
ほか
緑の将来イメージ
(中央区)
京橋地域
(中央区)
・屋上緑化や壁面緑化などによる立体的な緑の景観を整備した施設増加。今後も魅力ある緑の創出を促進する。
・首都高都心環状線築地川区間の上部の活用では、銀座と築地をつなぐ緑の軸の形成を目指し、新たな街路空間の創出を促進
・老朽化公園施設は地域のニーズを踏まえ改修
日本橋地域
(中央区)
・大規模開発を含む民間事業者による魅力ある緑地創出を進める
・日本橋川周辺のまちづくりでは、水辺の魅力をいかした緑豊かな整備に向け、事業の促進をはかる
・老朽化が目立つ浜町川緑道は改修整備を実施
・日本橋本町から日本橋久松町で歩道拡張と、これに合わせた街路整備実施。
月島地域
(中央区)
・朝潮運河親水公園は拡張整備を実施。水辺の回遊性に配慮した水と緑のネットワーク充実を図る
・民間による水辺に向いた再開発事業実施。親水性や緑のオープンスペース確保に向けた整備実施
・選手村跡地再開発では東京2020大会のレガシーとして質の高い緑に彩られたまちづくりを促進
計画目標
緑被率 13%
屋上緑化と壁面緑化の合計 15ヘクタール
ボランティア参加人数 1200人
緑化重点地区の指定(都市緑地法)
中央区全域を指定。あら。
取り組み方針
11のリーディングプロジェクト
・公園や児童遊園の整備拡充
(中央区)
・街路樹、植樹帯、街角広場の整備
・朝潮運河など護岸環境整備による環境整備
朝潮運河、新月島運河での東京都の護岸整備に合わせて自然環境・周辺景観との調和に配慮した水辺空間をつくる
・多言語.ピクトグラム表記を用いた案内看板などの設置
・民間施設における緑の助成
・公園の魅力向上に向けた官民連携方針の策定
(中央区)
・アダプト制度の充実
・街路樹管理計画策定
・緑化重点地区の指定
・緑に親しむイベントや体験活動の推進
リーディングプロジェクト以外で目を引いたもの
・首都高更新に伴う上部空間の活用検討
(中央区)
首都高都心環状線の築地川区間の更新をまちづくりの機会として、「蓋がけ」による新たな緑の都市空間作りに向けた検討を行う。分断された銀座と築地をつなぐ。
感想・まとめ
改定前の基本計画に挙げられた項目のほとんどは実施されている。
基本方針1 18項目全てが実施中か実施完了
基本方針2 22項目中21項目実施中
基本方針3 18項目中14項目実施中
基本方針4 15項目中14項目が実施中か実施完了
基本方針は中央区が将来の緑をこういう方向に誘導したい、という内容で、矢田前市長の遺産とも言えるものだが、前市長の後継候補が無事当選したことで、盛り込まれた内容は大きな変更なくほぼ着手されるだろう。
参考